金融ADR制度について
ADR(裁判外紛争解決手続き)とは、Alternative(代替の) Dispute(紛争) Resolution(解決)の頭文字で、裁判所での訴訟に代わる、あっせん・調整・仲裁などの当事者合意に基づく解決方法です。
1.金融ADR制度とは?
金融トラブルの増加という背景の下、利用者保護・利用者の利便性向上の目的で、2009年「金融商品取引法等の一部を改正する法律」により「金融ADR制度(金融分野における裁判外紛争解決制度)」が創設され、2010年から施行されました。
裁判では時間や費用等の負担が大きくなることも多いため、裁判外での解決を目指すことで 利用者の負担を軽減することができます。
2.金融ADR制度のメリットと特徴
3つのメリット
1.中立・公正
金融分野に見識のある中立・公正な専門家が検討し、解決に努めます。
2.迅速
基本的に裁判より短期間で解決します。
3.低コスト
交通費、通信費等はご負担いただきますが、紛争解決手続費用は無料です。
2つの特徴
1.紛争のみではなく、苦情も対象
ADRでは一般的に紛争のみを取り扱いますが、金融ADRでは対象を拡大しています。
2.事業者への片面的義務
事業者=金融機関に対してのみ、義務を課しています
・手続を応諾する義務(手続応諾義務)
・事情説明・資料提出の要請に応じる義務(資料提出義務)
・和解案を尊重する義務(結果尊重義務)
ADR一般と金融ADR制度利用のメリットの違い
ADR一般
中立性・公平性、簡易性、柔軟性、迅速性、専門性、非公開性、低廉な費用
金融ADR
上記のADR一般のメリットに加えて、以下もメリットして含まれる。
ADRの対象拡大(紛争のみならず苦情も対象)、金融機関の片面的な義務(手続き応諾義務、資料提出義務、結果尊重義務)
そんぽADRセンターは金融ADR制度に基づく損害保険専門の指定紛争解決機関(金融ADR機関)です。
指定紛争解決機関は、法律に基づいて国の指定を受け、金融庁の監督のもと中立・公正な立場で金融機関とのトラブルの解決を図る機関で、金融機関の業態ごとに設置されています。