京都府損保特殊暴力対策協議会総会を開催
2021.08.05
損害保険事業の健全な発展のため、損保業界と警察が連携することの重要性を確認
日本損害保険協会近畿支部委員会(委員長:藤原 剛・三井住友海上火災保険株式会社常務執行役員 関西本部長)では、7月28日(水)に京都市内で、新型コロナウイルス感染防止対策を行いつつ、第43回京都府損保特殊暴力対策協議会総会を開催し、来賓・顧問・会員など42名の出席がありました。
総会に先立ち行われた研修会では、京都弁護士会民暴・非弁取締委員会の東口 良司委員長から「不当要求に対する対応について」と題して、「不当要求とは何か」、また、「不当要求対応を考える上で参照すべき学問分野について」事例を挙げながら講演いただきました。
総会開会に際し、京都府損保特殊暴力対策協議会の安田 征史会長(東京海上日動火災保険株式会社京滋損害サービス部長)から、今回で43回目の総会を迎え、長年にわたり活動を続けることができたことに対し関係各位の連携・協力に謝辞を伝えるとともに、「不当・不正請求の内容も年々巧妙化し表面化しにくい中、本年も水増し請求をして保険金を不正に受け取っていた外科医院関係者を検挙いただいている。京都府警ご当局の保険犯罪に対する強い姿勢が、保険金詐欺を企てようとするものに対して大きな抑止力となっていることに深く感謝申し上げます。」との挨拶がありました。
当協議会顧問である京都府警察本部刑事部の司農 將至 組織犯罪対策第二課長からは、「暴力団分裂抗争以降、資金源の多様化が進んでおり、介入の余地を許さない情報連携・相互情報交換が必要。」との挨拶がありました。また、同じく顧問で京都府警察本部交通部の豊住 進一 交通捜査課長からは、「交通事故保険金の詐取による被害額は減少傾向となっているが、暴力団関係者の関与等は拡大している。交通事故保険金の詐取には断固たる態度で取り組んで行く所存なので、引き続き連携をお願いしたい。」との挨拶がありました。
ご来賓である京都府警察本部刑事部の横田 政幸 組織犯罪対策統括室長からは、「京都府内の暴力団構成員は大きく減少しているが、常に資金源の多角化を図っており徹底した取り締まりを図って行きたい。」とのご挨拶がありました。また同じくご来賓で京都弁護士会民暴・非弁取締委員会の東口 良司委員長からは、「コロナ禍下で収益源である夜の街が壊滅的な状況となっており、反社勢力は様々な分野に資金源を求めている。危機感を持つべきであり、弁護士会としても損保に協力できることがあれば何でも行っていく」との挨拶がありました。
続いて、当協議会の 宮﨑 幹事(AIG損保社)から、令和2年度の活動報告および令和3年度の活動計画提案があり、令和3年度も情報交換の活性化、協議会活動の活性化、自動車盗難等防止対策の推進、不正不当な請求を行う特定修理業者等に関する情報交換・対策に取り組むことが満場一致で承認されました。
その後、当協議会の天倉 副代表幹事(あいおいニッセイ同和損保社)から、「損害保険事業の社会公共性に鑑み、警察との緊密な連携のもとにあらゆる暴力や犯罪を排除し、事業の健全な発展をはかる」旨の決議文が読み上げられ全員一致で採択し、その意思を確固たるものにしました。
損害保険業界では、1979年から民事介入暴力対策および不正請求対策として、関連諸機関と連携を図り、健全な損害保険事業の運営を行うため、全国にこのような協議会を設けています。当協議会は1979年に全国に先立ち設置されています。総会の概要は次の通りです。
第43回 京都府損保特殊暴力対策協議会総会 式次第
第1部 研修会
- 講演
京都弁護士会 民暴・非弁取締委員会 委員長 東口 良司 様
第2部 総会
- 1.開会の辞
- 2.会長挨拶
- 3.来賓紹介
14名様 - 4.役員選任
- 5.顧問委嘱
- 6.顧問挨拶
京都府警察本部刑事部組織犯罪対策第二課長
司農 將至 様
京都府警察本部交通部交通捜査課長
豊住 進一 様 - 7.来賓挨拶
京都府警察本部刑事部組織犯罪対策統括室長
横田 政幸 様
京都弁護士会民暴・非弁取締委員会委員長
東口 良司 様 - 8.令和2年度活動報告・令和3年度活動計画(案)
- 9.決議文採択
- 10.閉会の辞