「和歌山県過疎地域持続的発展方針(案)」及び 「和歌山県過疎地域持続的発展計画(案)」に意見表明
2021.08.11
過疎地域における交通体制および防災・減災を要望
日本損害保険協会近畿支部(委員長:藤原 剛・三井住友海上火災保険株式会社常務執行役員 関西本部長)では、和歌山県が令和3年6月30日(水)~令和3年7月30日(金)の間に実施した「和歌山県過疎地域持続的発展方針(案)及び和歌山県過疎地域持続的発展計画(案)」に関するパブリック・コメント(意見募集)に対し、西村 務 和歌山損保会会長(三井住友海上火災保険株式会社和歌山支店長)名で意見表明を行いました。
本方針および計画は、「過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法」に基づき、令和3年度から令和7年度までにおける、過疎地域の持続的発展に資する方針および計画を定めるもので、概要は以下のとおりです。
「和歌山県過疎地域持続的発展方針(案)」及び
「和歌山県過疎地域持続的発展計画(案)」の概要
「和歌山県過疎地域持続的発展方針(案)」の概要
- 方針期間
令和3年度~令和7年度(5年間) - 目標
過疎地域の持続的発展 - 基本的な方向
(1)未来を拓く人を育む、(2)たくましい産業を創造する、(3)安心・安全で尊い命を守る、(4)暮らしやすさを高める、(5)魅力ある地域を創造する - 分野別施策
(1)教育の振興、地域文化の振興等
(2)産業の振興、地域における再生可能エネルギーの利用促進
(3)生活環境の整備、医療の確保
(4)地域における情報化の推進、交通体系の整備、子育て環境の確保と高齢者等の保健及び福祉の福祉の向上及び増進
(5)移住及び定住並びに地域間交流の促進並びに人材育成の推進、集落の整備
「和歌山県過疎地域持続的発展計画(案)」の概要
- 計画期間
令和3年度~令和7年度(5年間) - 目標
2026年時点で89.4万人 - 和歌山県過疎地域持続的発展方針に基づき、過疎地域の持続的発展を図る
施策(11分野132事業)を記載
(1)移住及び定住並びに地域間交流の促進並びに人材育成の推進
(2)産業の促進
(3)地域における情報化
(4)交通体系の整備
(5)生活環境の整備
(6)子育て環境の確保と高齢者等の保健及び福祉の向上及び増進
(7)医療の確保
(8)教育の振興
(9)集落の整備
(10)地域文化の振興等
(11)地域における再生可能エネルギーの利用推進
これに対し、和歌山損保会では、本方針および計画それぞれに対し、以下のとおり意見表明を行っています。
意見内容
「和歌山県過疎地域持続的発展方針(案)」への意見内容
<意見1>
地域によってはコミュニティバスや乗合タクシーの導入が難しい箇所があることや、高齢化が進む中で可能な限り高齢者の自立を図る必要があることから、公共交通手段の確保と並行して、高齢者が引き続き自家用車を安全に、かつ安心して利用できる環境整備を行うことも重要と認識しております。
したがって、【施策展開の方向】に「高齢運転者支援対策の充実」という旨の項目を追加し、運転者の危険認知の遅れや運転操作の誤りにおける事故を未然に防止するための安全運転を支援するシステムの更なる発展・普及・啓発や、高齢ドライバーに対する安全運転支援システム等購入時の国の補助金制度の周知徹底等を記載する必要があると考えます。
【該当箇所】Ⅴ、4「交通確保対策」(P.30)
<意見2>
和歌山県内には、土砂災害警戒区域が土石流に係るもので5,502箇所(土砂災害特別警戒区域4,751箇所、急傾斜地の崩壊に係るもので15,794 箇所(同15,529箇所)、地滑りに係るもので567箇所(同0箇所)の計21,863箇所(同20,280箇所)が指定されています(「全国における土砂災害警戒区域等の指定状況」(国土交通省ホームページ掲載令和3年3月末時点)より引用)。
今回、過疎地域持続的発展方針を策定し、過疎地域における防災・減災対策を推進していくにあたっては、国の補助制度である「がけ地近接等危険住宅移転事業」の利用を市町村に促し、県としても補助等を行うことで、居住不適地域からより安全な地域への移転支援強化も行っていただきたく、「大規模災害に備えた安全の推進」施策の一環として同事業実施市町村の拡大に資する施策の実施、利用促進策をご検討いただければと存じます。
記載のとおり、防災・減災については、「学ぶ機会の提供」(P.34)により、「住民による地域の災害対応力の向上」(P.34)を図ることも重要です。
したがって、【施策展開の方向】に「防災教育の推進」という旨の項目を追加し、「関係団体等と連携して防災教育を推進し、住民による地域の災害対応力の向上を図る」という旨を記載してはいかがでしょうか。
なお、当協会では、防災に関する講師派遣や教材の作成(⇒損保協会HP:そんぽ学習ナビ)を行っております。和歌山県におかれても是非ご利用いただくことを通じまして、地域の防災力向上に貢献できればと存じます。
【該当箇所】Ⅵ、3、(1)「大規模災害に備えた安全の推進」(P.33)
<意見3>
近年、災害などに便乗し「保険金が使える」等の勧誘をする特定修理業者の営業活動により、消費者(特に高齢者)がトラブルに巻き込まれるケースが多発しております。
当協会では、消費者庁・国民生活センター・警察本部・各地行政機関等と連携した啓発活動や情報交換を実施しております。消費者庁や一部行政機関においては、悪質なケースについて行政処分や指導などの厳正な対処を行っていただいており、和歌山県におかれても、引き続き緊密な連携関係をお願いしたく、また、啓発活動等の展開にご支援・ご協力をいただければと存じます。
【該当箇所】Ⅵ、4「安心できる生活環境の整備」(P.35)
「和歌山県過疎地域持続的発展計画(案)」への意見内容
<意見1>
地域によってはコミュニティバスや乗合タクシーの導入が難しい箇所があることや、高齢化が進む中で可能な限り高齢者の自立を図る必要があることから、公共交通手段の確保と並行して、高齢者が引き続き自家用車を安全に、かつ安心して利用できる環境整備を行うことも重要と認識しております。
したがって、「○(または●)高齢運転者支援対策事業」という旨の事業名を追加し、運転者の危険認知の遅れや運転操作の誤りにおける事故を未然に防止するための安全運転を支援するシステムの更なる発展・普及・啓発や、高齢ドライバーに対する安全運転支援システム等購入時の国の補助金制度の周知徹底等を支援する旨、記載する必要があると考えます。
【該当箇所】Ⅱ、4(2)「交通確保対策」(P.15)
<意見2>
「●急傾斜地崩壊対策事業」について、「ハード対策としてがけ崩れから人命・財産を保全するため」の「施設整備」に加え、「がけ地近接等危険住宅移転事業」の活用による「住宅移転支援」も実施する旨追記してはいかがでしょうか。
「●地域防災力向上事業」について、「研修会や啓発広報を行う」(P.18)にあたっては、関係団体等と連携して進める必要があります。つきましては、「研修会や啓発広報を行う」の前に、「関係団体等と連携して」という旨を追記してはいかがでしょうか。
【該当箇所】Ⅱ、5(2)「防災・減災対策の推進、消防・救急体制の整備」(P.17)
和歌山損保会では、今後も行政や関係機関と協力し、地域の安全・安心に資する取り組みを推進します。