「住まうビジョン・大阪(大阪府住生活基本計画)(案)」に意見表明
2021.10.20
大阪府の都市形成における防災・減災を要望
日本損害保険協会近畿支部(委員長:藤原 剛・三井住友海上火災保険株式会社常務執行役員 関西本部長)では、大阪府が令和3年9月13日(月)~令和3年10月13日(水)の間に実施した「住まうビジョン・大阪(大阪府住生活基本計画)(案)」に関するパブリック・コメント(意見募集)に対し、布垣 光盛 消費者部会長(三井住友海上火災保険株式会社関西総務部長)名で意見表明を行いました。
本計画は、住生活基本法に基づき、住生活に関する政策がめざすべき目標、政策の枠組みや施策展開の方向性を示すもので、概要は以下のとおりです。
「住まうビジョン・大阪(大阪府住生活基本計画)(案)」の概要
- 計画期間
令和3年度から令和12年度までの10年間 - 基本目標
多様な人々がいきいきとくらし、誰もが住みたい、訪れたいと感じる、居住魅力あふれる都市の実現
- 政策展開の視点
多様性(ダイバーシティ)、 共創(コ・クリエーション)、 資源の活用(リソース)
これに対し、消費者部会では、以下のとおり意見表明を行っています。
「住まうビジョン・大阪(大阪府住生活基本計画)(案)」への意見内容
意見1
(~略~) 大阪府は、(~略~)全国の「地震時等に著しく危険な密集市街地」全体の地区数で29.7%、面積数で45.7%と最も大きい割合を占める状態です。
南海トラフ巨大地震の発生が高い確率で起こることが懸念され、発生した場合には密集市街地に起因する火災旋風等により、多くの人命が失われる危険性が指摘されています。
大阪府として、【重点取組】と位置付けているところ、府民の生命・財産を守るべく早期の解消を図るため、従来の延長線上の解消施策に止まらず、補助金の導入等により実効性が高く、密集市街地解消に向けより踏み込んだ施策の実施を要望します。
【該当箇所】3.1(1)「密集市街地の整備」(P.22)
意見2
(~略~) ハード面、特に水害や土砂災害等の災害ハザードエリアにおける開発抑制については、都市計画法・改正都市再生特別措置法に則り、災害レッドゾーン地域については開発の原則禁止、浸水ハザードエリアについては安全上及び避難上の対策等を許可の条件とするなど、市街化調整区域における住宅等の開発許可の厳格化を図るべきです。「災害リスクを考慮したまちづくりを推進します」といった抽象的な方針に基づく対応ではなく、地域住民の災害リスクを低減するべく、市町村における防災移転計画を後押しする等災害ハザードエリアからの移転を促進するような実効性の高い、より踏み込んだ施策の実施を要望します。
【該当箇所】3.1(3)「災害リスクを考慮したまちづくりの推進」(P.23)
意見3
台風・豪雨等による損害は、基本的に(契約内容によります)火災保険の支払対象となりますが、地震による損害は火災保険の支払い対象ではありません。被災後の復旧・復興、被災者の生活再建費用、府民の自助促進の観点から考慮すると、公的支援金等だけでは十分とは言えず、地震保険の役割発揮は必要不可欠です。
南海トラフ巨大地震の発災が懸念される一方で、地震保険の付帯率が68.5%(全国平均68.3%)にとどまっている大阪府において、公共性の高い地震保険の周知・役割発揮等について記載をお願いします。
【該当箇所】3.3(1)「大規模災害時等の体制整備」(P.27)
近畿支部では、今後も行政や関係機関と協力し、地域の安全・安心に資する取り組みを推進します。