「滋賀県都市計画基本方針(素案)」に意見表明
2021.12.03
滋賀県のまちづくりにおける防災・減災の促進を要望
日本損害保険協会近畿支部(委員長:藤原 剛・三井住友海上火災保険株式会社常務執行役員 関西本部長)では、滋賀県が令和3年9月27日(月)~令和3年11月10日(水)の間に実施した「滋賀県都市計画基本方針(素案)」に関するパブリック・コメント(意見募集)に対し、長沼 孝裕 滋賀損保会会長(三井住友海上火災保険株式会社滋賀支店長)名で意見表明を行いました。
本方針は、概ね20年後を見据えた滋賀県の都市計画の基本的な方針や広域的な方向性を示すもので、概要は以下のとおりです。
「滋賀県都市計画基本方針(素案)」の概要
〇都市の将来像
滋賀県基本構想(平成31年3月)「みんなで目指す2030年の姿」
人.自分らしい未来を描ける生き方
経済.未来を拓く新たな価値を生み出す産業
社会.未来を支える多様な社会基盤
環境.未来につなげる豊かな自然の恵み
〇目指すべきまちづくりの方向性
・職住近接のゆとりある生活圏を構築するための魅力ある多様な拠点の形成
・滋賀の成長を支える多様な産業の創出や利便性の向上に資するまちづくり
・人や物の円滑な移動や交流を促進する質の高い交通・道路ネットワークの形成
・災害リスクを低減し、拠点間の広域的な連携による相互支援を可能とする安全なまちづくり
・滋賀らしい歴史・文化資源、自然資源、景観を活かし継承するまちづくり
これに対し、滋賀損保会では、以下のとおり意見表明を行っています。
「滋賀県都市計画基本方針(素案)」への意見内容
自然災害が頻発・激甚化し、災害ハザードエリアにおける開発抑制・移転促進は急務であると認識していた中、都市再生特別措置法等の改正を踏まえ早急に本方針に記載いただいており、これについて賛同します。
なお、「災害ハザードエリアにおける開発抑制、災害ハザードエリアからの将来的な移転の促進、災害リスクの適切な評価とこれを踏まえたまちづくりの推進など、市町と連携しながら必要な取組を進める」との記載があります。災害ハザードエリアからの移転の促進については、事前減災の観点から政策的かつ具体的なアプローチが必要と考えており、補助金等の充実および利用可能な制度の周知・案内など、引き続きの対応をお願いします。また、滋賀県においては評価すべき災害リスクとして水災害が最重要であることは否定いたしませんが、地震(活断層による直下型地震や南海トラフ巨大地震など)による被害も懸念されます。大地震への対策方針(建築物等の耐震化、地震保険の加入促進…など)についても、「方向性4」に明文化してはどうかと考えます。
【該当箇所】5-6 方向性 4 「災害リスクを低減し拠点間の広域的な連携による相互支援を可能とする安全なまちづくり」(P.16)
近畿支部では、今後も行政や関係機関と協力し、地域の安全・安心に資する取り組みを推進します。