「大阪市地域防災計画」(修正)に意見表明
2021.12.21
大阪市における防災・減災を要望
日本損害保険協会近畿支部(委員長:藤原 剛・三井住友海上火災保険株式会社常務執行役員 関西本部長)では、大阪市が令和3年11月19日(金)~令和3年12月17日(金)の間に実施した「大阪市地域防災計画」(修正)に関するパブリック・コメント(意見募集)に対し、布垣 光盛 消費者部会長(三井住友海上火災保険株式会社関西総務部長)名で意見表明を行いました。
本修正は、「震災対策編」「風水害等対策編」の重複する記載の解消および災害対応のそれぞれの段階に沿った構成の見直し、防災対策の一層の強化・推進を図ることを目的に行うもので、概要は以下のとおりです。
「大阪市地域防災計画」(修正)の概要
〇構成の見直し(「共通編」「対策編」「資料編」の3編構成に修正)
- 現行計画の「震災対策編」「風水害等対策編」を一本化し、重複する内容の解消と整理を実施
- 一本化した内容を計画の方針などに関する「共通編」と、災害に対する予防及び応急・復旧・復興の計画に関する「対策編」に再編成を行い、これまでの「資料編」と合わせた3編構成に修正 など
〇災害対策基本法の改正を踏まえた修正
- 避難情報の発令基準が改定されたことによる修正(避難勧告・避難指示の一本化による避難情報の修正)
これに対し、消費者部会では、以下のとおり意見表明を行っています。
「大阪市地域防災計画」(修正)への意見内容
<意見1>
防災知識の普及啓発に関して、住宅を失った際の経済的損失の大きさと復旧・復興に係るコストの高さ、ハザードマップ等を通じた居住に適した地域の選定の重要さ、住宅の耐震性能の確認・耐震化の重要性、住宅・家財の再調達コストの把握、公的災害支援制度等の理解、さらに避難生活に要するコスト等の啓発が必要であり、記述の検討をお願いします。
【該当箇所】1-2「市民等に対する防災知識の普及啓発」(P.51)
<意見2>
中小企業を中心とした事業継続計画(BCP)の策定、事業継続マネジメント(BCM)の実施や防災活動を促進するための各種施策については、損保業界としても引き続き積極的に推進していく所存であり、継続した支援・連携の取組みの実施をお願いします。
【該当箇所】1-5「事業所等に対する防災教育」(P.54)
<意見3>
事前減災の観点から、都市再生特別措置法等の改正(令和2年9月)を踏まえ、災害ハザードエリアにおける開発抑制・移転促進についても記載をお願いしたく、ご検討のほどよろしくお願いします。
【該当箇所】第7章「市街地の防災性向上対策」(P.96)
<意見4>
国土交通省が公表する「地震時等に著しく危険な密集市街地」では、大阪市は10地区・641haが解消できていない状況となっており、全国の「地震時等に著しく危険な密集市街地」全体に対して、面積数では28.9%と最も大きい割合を占める状態です。
南海トラフ巨大地震の発生が高い確率で起こることが懸念され、発生した場合には密集市街地に起因する火災旋風等により、多くの人命が失われる危険性が指摘されています。
市民の生命・財産を守るべく早期の解消を図るため、従来の延長線上の解消施策に止まらず、より実効性の高い、密集市街地解消につながるより踏み込んだ施策の実施のご検討をお願いします。
【該当箇所】26-1「密集住宅市街地の防災性向上の推進」(P.97)
近畿支部では、今後も行政や関係機関と協力し、地域の安全・安心に資する取り組みを推進します。