「栃木県気候変動対策推進計画(仮称)素案」に意見提出
2021.01.12
「自然災害に対応する損害保険等の理解・普及促進」の記載を要望
一般社団法人日本損害保険協会北関東支部栃木損保会(会長:高橋 学・東京海上日動火災保険株式会社 執行役員 栃木支店長)では、栃木県が2020年12月4日から2021年1月4日までに実施した「栃木県気候変動対策推進計画(仮称)」(素案)に関するパブリックコメントに対し、意見提出を行いました。
同計画は、深刻化が懸念される気候変動に対処し、県民の生命・財産を将来にわたって守り、持続可能な地域づくりの実現に向けて、温室 効果ガスの排出削減等対策である『緩和策』と気候変動による被害の回避・軽減対策である『適応策』を車の両輪として、総合的かつ計画的に推進するため策定ものです。
栃木県気候変動対策推進計画 概要
1.削減目標の達成と脱炭素社会を目指す緩和策
(1) 温室効果ガス排出削減のさらなる取組
・ 工場・事業場の低炭素化・脱炭素化
・低炭素ライフスタイル・ワークスタイルへの転換と定着
・低炭素モビリティの導入促進と利用拡大
(2) 地産地消型再生可能エネルギーの導入拡大
・地域の脱炭素化に資する再エネの導入拡大と地産地消の促進
(3) 森林吸収源対策の推進
(4) 県庁における率先的な取組の推進
2.県民の生命と財産を守り、将来の成長につなげる適応策
(1) 分野別取組の着実な実施
・ 発現状況や将来予測を踏まえた分野ごとの取組の推進
(2) 県気候変動適応センターを中核とした適応の推進
・ 本県の地域特性を捉えた気候変動に関する情報の収集・分析・提供
・ 市町への技術的助言による地域の適応の推進
・ 情報発信による県民・事業者の適応の推進
(3) 本県の強みを活かす適応策・適応ビジネス等の促進
・ 適応ビジネス等の創出に向けた産学官連携体制の構築
これに対し、栃木損保会では県民の生命と財産を守り、将来の成長につなげる適応策におけるソフト対策には、災害に関する被害を想定した事前の備えが大切であり、住宅や家財など、私有財産に係る被害からの経済的な復旧・復興は、公的資金や善意による義援金では完全に賄うことができないため、県民としても自助の部分での意識向上と経済的な備えが重要であると考えることから、「自然災害に対応する損害保険等の理解・普及促進」の記載を求める等、下記の通り、意見提出いたしました。
栃木損保会が提出した意見の概要
【該当箇所】
第5章 県民の生命と財産を守り、将来の成長につなげる適応策(57頁以降)
【意見】
県民の生命と財産を守り、将来の成長につなげる対応策としての分野別取組みの着実な実施に関して7つの実施項目が明記されている。
特に「自然災害分野」については、昨年の台風19号以降令和元年、同2年と日本列島を強力な風水害が襲い、栃木県においてもそのリスクが高まっている。
また、栃木県が、58頁に記している通り、ハード対策とともにソフト対策も重要な取組みとしているが、その点について、私たちも賛同するものである。
ソフト対策には、災害に関する被害を想定した事前の備えが大切であり、住宅や家財など、私有財産に係る被害からの経済的な復旧・復興は、公的資金や善意による義援金では完全に賄うことができないため、県民としても自助の部分での意識向上と経済的な備えが重要となる。
ついては、風水害に対応する損害保険(火災保険等)や、地震災害への備えとしての地震保険などの理解・普及促進については、官民が連携して行っていくことが欠かせないものであり、「自然災害に対応する損害保険等の理解・普及促進」を明記願いたい。
また、「県内全域への地区防災計画策定の支援」に関しては、栃木県とともに民間組織も連携しての支援活動を期待するものであり、私ども日本損害保険協会としても当該策定に関しての情報提供やワークショップの開催などについても可能な範囲で協力したいと考えている。その観点から「民間の支援も活用した地区防災計画策定の協働支援」として明記願いたく検討を求めるものである。
栃木損保会は、今後も栃木県における防災・減災の取組みに協力していきます。