栃木県国土強靱化地域計画【改定素案】に意見提出
2021.01.25
自然災害を補償する保険等への加入促進の明記を求める
一般社団法人日本損害保険協会北関東支部栃木損保会(会長:高橋 学・東京海上日動火災保険株式会社 執行役員 栃木支店長)では、栃木県が2020年12月25日から2021年1月25日までに実施した「栃木県国土強靱化地域計画」(改訂素案)に関するパブリックコメントに対し、意見提出を行いました。
ひとたび大規模災害が発生すると、復旧・復興を経て、県民が日常生活を取り戻すまでには、長期間にわたって労力と資金を費やすことになるため、平時から災害に対する備えが必要となります。 本計画は、栃木県において、これまでの自然災害から得た教訓や基本法の趣旨を踏まえ、国や市町と連携し、安全・安心なとちぎづくりを推進するために策定されたものです。
栃木県国土強靱化地域計画の概要
1.基本理念
(1)安全・安心な基盤が整う強くてしなやかなとちぎづくり
(2) とちぎの豊かさの維持・向上
(3) 首都直下地震等発生時のバックアップ拠点としての機能充実
2.基本目標
(1) 県民の生命の保護が最大限図られていること
(2) 県及び地域社会の重要な機能が致命的な障害を受けず維持されること
(3) 県民の財産及び公共施設に係る被害の最小化
(4) 迅速な復旧・復興
3.基本方針
(1)基本姿勢
・人口減少等を踏まえた施策の推進
・自助・共助・公助を基本
・市町、民間事業者等との連携・役割分担
(2) 適切な施策の組合せ
・ハード対策とソフト対策を適切に組み合わせ効果的に施策を推進
・平常時における県民生活の豊かさの向上等にも留意
(3) 効果的な施策の推進
・選択と集中による施策の重点化
・既存の社会資本の有効活用、施設の効率的・効果的な維持管理
・民間投資・技術活用の促進
これに対し栃木損保会では、県民にとって、災害時等リスク発生に関わり、生活の基本である住宅の保持・復旧、普段からの備えに関わるリスクコミュニケーションは、公助のみにゆだねるのではなく、官民の連携を含めて、自助・公助への充実支援が必要な措置であり、また、防災・減災対策は、公助によるハード対策とともに、県民が正しい備えを行い、リスクが高まったときに適切な避難などを実行できるためのソフト対策の充実が欠かせないと考えることから、以下のような意見を提出しました。
栃木損保会が提出した意見の概要
【該当箇所】
第一章2.基本目標(4)迅速な復旧・復興
【防災意識の高揚、防災教育】【地域防災力の向上】
【意見】
- 当計画とその遂行に関して、自然災害を補償する保険等への加入促進を明記願いたい。 主に自助への備えの対象であり生活の基本である住宅の保持・復旧・備えへの態勢の構築を目的とする場合に、栃木県の自然災害リスクである、地震・火山・風水害(河川災害)への対策としては、地震・噴火のリスクに対応する地震保険、風水害(河川災害)リスクへ対応する火災保険の県民への普及促進が必要である。
- 官民連携として、保険等への加入促進に加えて、防災等への啓発セミナーの開催や防災教育および、県民に対しての防災の上での有益な情報提供に関して、民間との連携も有効な手段である。リスク取り扱う損害保険業界も自治体との連携活動に関して、具体的な提案をすることが可能であり、また、県内事業者等への自主的な防災対策の推進を促す支援についても、リスクの担い手である損害保険各社としても、官民連携に有効な相対組織であることを改めて認識願いたい。
栃木損保会は、今後も栃木県における防災・減災の取組みに協力していきます。