栃木県に自転車条例に関する要望書を提出
2021.02.15
自転車保険の加入義務化に関する検討を要望
日本損害保険協会北関東支部栃木損保会(会長:高橋 学・東京海上日動火災保険株式会社 執行役員 栃木支店長)では、(一社)栃木県損害保険代理業協会(会長:村田 泰章)と連名で、自転車条例に関する要望書を2月9日(木)に栃木県に提出しました。
近年、全国で自転車による重大な事故が発生しており、栃木県においても被害者が死亡する重大な事故が発生しています。全国の事案の中には加害者に対して高額な賠償金が請求され、加害者が損害賠償責任を補償する保険に未加入であったために、被害者が十分に賠償金を受けられず救済されない事案が少なからず存在しています。
栃木県では、新型コロナウイルス感染拡大の影響で自転車利用が増えていることに伴い事故も増えている一方、自転車条例で自転車保険の加入義務に関しての記載がないことから、栃木損保会および栃木県損害保険代理業協会では、自転車事故における加害者・被害者の経済的な損失の軽減などの観点から、以下のとおり栃木県に要望を提出しています。
栃木県における自転車条例に関する要望
近年の自転車事故事例では1億円近い高額賠償請求事案が発生していることから、万一の場合の備えとして自転車損害賠償保険への加入促進は不可欠だと考えています。
国では、自転車活用推進本部において、自転車活用推進官民連携協議会や各地方公共団体等と連携しながら、自転車損害賠償責任保険等への加入を促進するための活動に取り組んでいるところですが、栃木県においても、被害者・加害者となった場合の経済的損失からの県民の保護、行政や警察による県民指導のしやすさ(事務効率性の向上)等の観点から、条例策定による自転車損害賠償保険への加入等の促進の検討をお願いいたします。
条例の策定にあたっては、全国の自治体で自転車保険の加入を条例で義務化する地域が増えていることからも、保険加入義務を明記する等、一定以上の強制力を発揮する方針設定が必要と感じております。
関東内では既に群馬県・埼玉県・東京都・神奈川県が「加入義務」を条例化しております。栃木県においても促進・啓発に留まらず、加入義務化の検討をお願いいたします。
なお、当協会としては、学校教育現場等での自転車利用に関するルールの周知、自転車加害事故に伴う損害賠償責任に関する知識の啓発あるいは自転車事故に備えた損害賠償責任保険の加入の必要性の啓発等、自転車安全教育の推進に関して、従前より取り組んできておりますが、他の有効な啓発手法の検討を含め、引き続き、栃木県をはじめ、行政・関係各機関と連携しつつ行なっていく所存です。
栃木損保会では、今後も行政や関係機関と協力し、交通事故防止に資する取組みを推進していきます。
*要望書提出は栃木県内在住者に限定し、新型コロナウイルスの感染対策を講じたうえで行われました。