「大分県自転車の安全で適正な利用等の促進に関する条例(仮称)」(案)に意見表明
2020.09.03
一般社団法人日本損害保険協会九州支部大分損保会(会長:幸 英治・東京海上日動火災保険株式会社 大分支店長)では、大分県が7月31日(金)~8月30日(日)の間に実施した「大分県自転車の安全で適正な利用等の促進に関する条例(仮称)」(案)に関するパブリック・コメント(意見募集)に対し、幸 大分損保会会長名で意見表明を行いました。
当該条例は、全国で自転車事故に伴う高額賠償事案が社会問題化している中、令和元年大分県内で中に379件の自転車関連事故が発生しており、5月には高校生が運転する自転車と歩行者が衝突し歩行者が死亡する事故が発生したこと、令和元年12月に策定した「大分県自転車活用推進計画」で目標の一つに「自転車事故のない安全で安心な社会の実現」を掲げ、「ヘルメット着用の促進」や「自転車損害賠償責任保険等への加入促進」等各種施策の取組について明記していることを背景に、制定されるものです。
≪「大分県自転車の安全で適正な利用等の促進に関する条例(仮称)」(案)の概要≫
- 1.目的(第1条)
自転車の利用に係る交通事故の防止及び被害者救済の観点から自転車損害賠償責任保険等への加入の促進を図り、県民が安全に安心して暮らすことのできる地域社会の実現
- 2.県の責務等(第3条~第8条)
- ・県の責務:自転車の安全で適正な利用等の促進に関する施策を総合的かつ計画的に推進
- ・自転車利用者の責務:自転車が道路交通法に規定する車両であることを認識し、 交通法令を遵守するとともに、自転車の安全で適正な利用等に努めること
- ・県民の責務:自転車の安全で適正な利用等に関する知識及び理解を深め、学校、地域、職域等における取組に参加
- ・事業者の責務:自転車の安全で適正な利用等の促進に関する取組の推進
- ・交通安全団体の責務:自転車の安全で適正な利用等に関する活動の自主的かつ積極的な推進
- ・関係機関・団体との連携:県が施策を推進するに当たり、国、市町村、交通安全団体その他の団体との連携
- 2.
- 条例の主な柱
- (1)自転車交通安全教育等(第9条)
- (2)道路交通環境の整備(第10条)
- (3)自転車の点検及び整備等(第11条)
- (4)自転車利用時の安全上の措置(第12条)
- (5)自転車損害賠償責任保険等への加入等:
自転車損害賠償責任保険等への加入(第13条)
自転車損害賠償責任保険等への加入の確認及び情報提供(第14条)
自転車損害賠償責任保険等に関する情報提供(第15条) - 3.公布及び施行
- 公布及び施行:令和2年12月予定
- 一部規定の施行:(安全上の措置)令和3年4月1日予定
(保険加入)令和3年6月1日予定
これに対し、大分損保会では、自転車関連事故の被害者救済や自転車を利用する上でのリスク啓発の必要性の観点等から、以下3点の意見表明を行っています。
≪意見内容≫
- 第13条 自転車損害賠償責任保険等への加入
当会でも、自転車運転に関するリスクが十分に認識されていない現状において、自転車事故に見舞われた方の被害者救済、また自転車利用者の賠償資力を保持し、健全に自転車の利活用を推進する観点から、条例に自転車保への加入義務を明記する等、一定以上の強制力を発揮する方針設定が必要と感じており、本条例案の内容に賛同いたします。 - 第14条 自転車損害賠償責任保険等への加入の確認及び情報提供
通学以外での自転車使用については、学校の長の管理下でないものの、通学外で自転車を利用する児童等に対しても、自転車運転のリスクを周知し、保険加入の必要性を説いたうえで、保険加入状況を確認することが教育の観点からも必要と考えます。
そのため、学校の長は、「自転車通学の児童、生徒及び学生並びにその保護者」に限らず、「学校に所属するすべての児童・生徒及び学生並びにその保護者」に対しても保険への加入確認および情報提供を行っていただきたい。 - 第15条 自転車損害賠償責任保険等に関する情報提供
「保険者その他関係団体」として、当会でも可能な限り加入促進のため協力いたします。
大分損保会では、今後も行政や関係機関と協力し、交通事故防止に資する取り組みを継続して推進していきます。