第11次佐賀県交通安全計画(案)に意見表明
2021.08.02
一般社団法人 日本損害保険協会九州支部佐賀損保会(以下「佐賀損保会」という) 会長 古賀 健(三井住友海上火災保険株式会社 佐賀支店長)および一般社団法人 佐賀県損害保険代理業協会(以下「佐賀県代協」という) 会長 吉岡 勝美では、佐賀県が2021年6月17日(木)~7月16日(金)の間に実施した「第11次佐賀県交通安全計画(案)」に関するパブリック・コメント(意見募集)に対し、意見表明を行いました。
今回の計画は、交通安全対策基本法第25条に基づき令和3年度から令和7年度までの5年間の佐賀県における交通安全に関する施策の大綱を定めたものであり、「道路交通の安全」に関する計画概要の中で、人口 10 万人あたりの交通事故死者数で全国ワースト5位以内となっている現状から脱却するために策定されるものです。
自転車賠償責任保険等への加入促進等の対策推進に賛同
≪「第11次佐賀県交通安全計画(案)」の概要≫
- 1.〇計画の基本理念
人命尊重の理念に基づき、また交通事故がもたらす大きな社会的・経済的損失をも勘案して、究極的には交通事故のない社会を目指す。
そのために、「人優先」の交通安全思想を基本とし、あらゆる施策を推進していく。また、高齢になっても安全に移動することができ、安心して移動を楽しみ豊かな人生を送ることができる社会、さらに、年齢や障害の有無等に関わりなく安全に安心して暮らせる「共生社会」を関係者の連携によって構築することを目指す。
〇道路交通の安全
1 道路交通事故のない佐賀県を目指して(基本的な考え方)
人命尊重の理念に基づき、究極的には交通事故のない社会を目指す。
2 道路交通の安全についての目標
令和7年までに① 24 時間死者数 25 人以下、② 人身交通事故件数 2,500 件以下とする。
3 道路交通の安全についての対策
<重視すべき6つの視点>
①高齢者及び子供の安全確保、 ②歩行者及び自転車の安全確保と遵法意識の向上、 ③生活道路及び幹線道路における安全確保、 ④先端技術の活用推進、⑤交通実態等を踏まえたきめ細かな対策の推進、 ⑥地域が一体となった交通安全対策の推進
<講じようとする施策(7つの柱)>
①道路交通環境の整備、②交通安全思想の普及徹底、③安全運転の確保、④車両の安全性の確保、⑤道路交通秩序の維持、⑥救助・救急活動の充実、⑦被害者支援の充実と推進
≪意見内容≫
○第1章第3節、Ⅱ、2 交通安全思想の普及徹底(P.36~43)
- 1.「2.交通安全思想の普及徹底」の取組「段階的かつ体系的な交通安全教育の推進」について、賛同すること。また、中学生や高校生の交通安全教育の範囲に、当該年齢であれば本人の民事責任が免れない可能性を考慮し、「自転車事故における加害者の責任」や「運転者の責任」を含めることに賛同するとともに、7月5日佐賀県議会で可決成立した「佐賀県交通安全の確保に関する条例の一部改正」においても自転車利用者へ自転車保険への加入努力義務を明記されたことからも「その備え」についても、学習することが非常に重要と考えており、計画上に明記すべきこと。
- 2.○第1章第3節、Ⅱ、2、(3)、ウ 自転車の安全利用の推進(P.45)
自転車運転については、県が中心となり「自転車は、歩行者と衝突した場合には加害者となる側面も有しており、交通に参加する者としての十分な自覚・責任が求められることから、交通事故の防止を自らの課題として認識してもらい、安全な利用に向けた意識の啓発を図るとともに、関係事業者の協力を得つつ、自転車の点検整備や加害者になった場合への備えとして、損害賠償責任保険等への加入促進等の対策を強力に推進」されることに賛同するとともに、佐賀損保会および佐賀県損害保険代理業協会は保険に関する情報提供や適切なアドバイスを通じ、県の加入促進・普及に協力すること。
○第1章第3節、Ⅱ、3、(3) カ 反射材用品等の普及促進(P.47)
「反射材用品等の普及促進」に賛同し、当該計画目標の実現に向け協力すること。
○第1章第3節、Ⅱ、3、(3) キ 飲酒運転根絶に向けた交通安全教育及び広報啓発活動等の推進(P.47)
「飲酒運転根絶に向けた交通安全教育及び広報啓発活動等の推進」に賛同するとともに、佐賀損保会における飲酒運転根絶に向けた取組を紹介。
○第1章第3節、Ⅱ、7、(1)(2)(P.73・74)
「(1)無保険(無共済)・無車検車両対策の徹底」について、県や市町における車検制度のある無保険車に対する直接的な取組に賛同するが、車検制度のない原動機付自転車をはじめとした250cc以下の自動二輪車等の無保険車両の運行防止の取組についても計画での明記すべきこと。
○第1章第3節、Ⅱ、7、(1)(2)(P.73・74)
自転車賠償責任保険の加入促進の取組については2.交通安全思想の普及徹底「(3)交通安全に関する普及啓発活動の推進」「ウ 自転車の安全利用の推進(P45)」の中で触れられているが、佐賀県における自転車保険の認知度が約8割と高い一方、加入している割合は約3割と低いことを考慮し、交通安全教育の推進だけにとどまらず、県や県警による自転車利用者に対する街頭指導活動など、自転車賠償責任保険の普及に関する直接的な取組も計画に明記すべきこと。
佐賀損保会では、今後も行政や関係機関と協力し、地域における安全・安心に資する取り組みを継続的に推進していきます。