「大分県地震・津波防災アクションプラン(中間見直し案)」に意見表明
2022.05.23
~ハザードマップの啓発活動、地震保険の加入促進等に賛同~
一般社団法人日本損害保険協会九州支部大分損保会(会長:熊野 秀樹 三井住友海上火災保険(株)大分支店長)では、2022年4月20日付で公表された「大分県地震・津波防災アクションプラン(中間見直し案)」の意見募集に対し、大分損保会として5月17日付で意見表明を行いました。
当該計画は、基本理念として、「自助・共助・公助による減災社会の実現、大規模地震の被害最小化」を掲げております。
また、今回の中間見直しでは、「既に最終目標を達成した指標について更に取組を推進するとともに、コロナ禍社会への対応をはじめとする計画策定後における諸情勢の変化に的確に対応し、計画を着実に推進するため、計画中間年にあたる令和3年度に中間見直しを実施。」することとなりました。
近年、南海トラフ巨大地震の発生の切迫性が指摘され、大分県でも甚大な被害が想定されているなか、過去の大地震の教訓を踏まえ、大地震はいつどこで発生してもおかしくない状況にあることから、①ハザードマップの啓発、②建築物の耐震化、③地震保険の加入および④中小企業へのBCP普及を促進させるため、以下のとおり意見表明を行いました。
《主な意見内容》
Ⅱ ■2アクションプラン項目及び目標指標の内容 柱1 事前防災
(1)津波防災対策 2)安全で確実な避難の確保 5.津波ハザードマップの活用支援
本アクションプランP1に「南海トラフの巨大地震の死者数は約2万2千人であるものの、同時に、建物の耐震化や津波からの退避の迅速化等の対策を講ずれば、約7百人に抑えることが可能である」とされており、早期退避率の向上は、県民の生命を守る観点から非常に効果的な施策と考えております。
当該退避率の向上の一方策として、津波ハザードマップの啓発活動を通じて、県民の方たちに津波リスクを認識いただくことは重要と考えており、当該アクションプランについて賛同いたします。
なお、当該取組みを着実・客観的に推進するために、学習会参加延べ人数などの目標指標を新たに設けることを検討していただきたい。
Ⅱ ■2アクションプラン項目及び目標指標の内容 柱1 事前防災
(2)建築物の耐震化等 1)住宅・公共施設等の耐震化の促進 8.住宅の耐震化
「1事前対策(2)建築物の耐震化等」の各項目の目標指数が設定されている項目については、「8.住宅の耐震化」を除き、すべて当該アクションプランの計画期間終了時の令和5年度の目標指標となっております。
当アクションプランでも言及されているように「建物の耐震化」は、人命に関わる重要な指数と考えているので、着実に進展させていく必要があると考えております。
令和4年3月に策定された「大分県住生活基本計画(計画期間:令和3年度~令和12年度)」においては、「住宅の耐震化率」は「平成30年の現況値84.0%」、「令和7年の目標値92%」が設定されていることから、当該計画と整合的かつ着実に住宅の耐震化の進捗を図るため、令和5年度の目標指標を本アクションプランで公表すべきと考えます。
Ⅱ ■2アクションプラン項目及び目標指標の内容 柱3 復旧・復興
(1)被災者等の生活再検討の支援 94.地震保険の加入促進
当会では災害対策基本法第34条に基づき中央防災会議が作成する防災基本計画に鑑み、国と損害保険業界が運営している地震保険の加入促進に努めているところであります。
当アクションプランでは、より具体的なホームページ、防災関連行事や自主防災組織等の学習会等で啓発活動を実施いただいているようであり、さらに他の九州地方より踏み込み目標指数まで設定いただいていることにつき、当会として賛同いたします。
なお、当該目標指数(令和5年度に公表される令和4年度の地震保険の世帯化加入率30.5%)の達成に向けて、更なる啓発活動をお願いするとともに、大分県各市の付帯率(住宅火災保険契約件数のうち、地震保険を付帯している件数の割合)を見ると、地域差が大きいことから、当該指標についても「市町村と共有する目標指数」として、市町村においても更なる啓発をしていただくことも重要と考えます。
Ⅱ ■2アクションプラン項目及び目標指標の内容 柱3 復旧・復興
(2)経済の復興 97.企業への事業継続計画(BCP)の策定支援(中小企業)
中小企業への事業継続計画(BCP)を普及させるため、当県において普及啓発や策定支援活動を行う当該アクションプランおよび、令和5年度数値目標を30%から38%に引き上げることにつき、賛同いたします。