高齢者向けの地域防災リーダー研修を開催
~少子高齢化を踏まえ、高齢者に防災の知識を伝えられる高齢者を増やすことを目的に実施~
2019.04.08
日本損害保険協会(会長:西澤 敬二)では、近年の日本列島における度重なる自然災害により、避難時や避難生活において高齢者が体調を崩したり、命を落としたりしているという状況を踏まえ、3月27日に「高齢者支援のための避難生活術」と題した地域防災リーダー育成研修会を開催しました。
本研修の目的は、高齢者に防災の知識を伝えられる高齢者を増やすことであり、研修当日は、損保OB講師およびSAAアドバイザー(※)11名が参加しました。
本研修は講義と演習の二部構成で実施し、第一部の講義では、自然災害時における避難所生活および在宅避難での課題や、高齢者と災害関連死の関係性などについて、解説がありました。また、第二部の演習では、参加者が2グループに分かれ、避難所(学校)のフロアマップを用いた避難所運営のシミュレーションを体験し、提示された課題に対する解決策に向けての議論が活発に行われました。
参加者からは、「実際に避難生活の経験がなかったが、演習を通してその大変さがよく理解できた」「演習によって自分で考えることの大事さを改めて感じた」等の感想が多く寄せられました。
当協会としては、今後も本取組みをはじめとした防災リーダーの育成など、地域防災力の向上に努めていきます。
(※)損保(S)・あんしん(A)あんぜん(A)アドバイザー:当協会が、一般消費者や高校生向けに、「地域における交通安全・防災・防犯等の安全意識啓発」など地域に密着した活動を実施するため、損害保険会社のOB・OGを講師として派遣する制度。
研修の概要
- テ ー マ
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「高齢者支援のための避難生活術」
- 日 時
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3月27日(水)14:00~17:10
- 会 場
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損保会館4階 404会議室
- 参加者数
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11名
- 内 容
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概要は以下のとおり
1.開会挨拶 … 宇田川 智弘(日本損害保険協会 業務企画部長)
2.講義(自然災害時、避難高齢者の特徴と課題)
… 木村 拓郎氏(一般社団法人 減災・復興支援機構 理事長)
・阪神淡路大震災以降、5千人弱が災害関連死で亡くなっており、9割が高齢者で占められている。
・生活不活発病とは、避難生活時にあまり活動しないことにより、特に高齢者であらゆる身体機能の低下が見られることであるが、重大な病気として知られていない。
・避難所では殆どが高齢者であり、居住環境の整備・衛生対策・健康管理が非常に重要。
3.演習(高齢者避難所生活ワークショップ)
… 宮下 加奈氏(一般社団法人 減災・復興支援機構 専務理事)
・2グループに分かれての机上演習
(学校施設使用方法、避難所での課題検討など)
4.講評 … 木村 拓郎氏(一般社団法人 減災・復興支援機構 理事長)
・避難所開設時のポイントは、1.生活再建の気概を失わないよう、一人ひとりの自立を助ける姿勢、2.避難所の自主・自立運営、3.健康・衛生対策、4.避難所内での安全・安心の4点である。