IFRS財団 サステナビリティ報告に係る協議文書に意見提出
2021.02.03
企業の自主的な創意工夫や業種ごとの特徴を踏まえた開示の意義を主張
日本損害保険協会(会長:広瀬 伸一)では、「IFRS財団」が2020年9月30日付けで市中協議に付した「サステナビリティ報告に関する協議ペーパー」に対する意見を12月17日に提出しました。
傘下の「国際会計基準審議会(IASB)」を通じ国際会計基準(IFRS)の開発に責任を有する組織であるIFRS財団では、企業のサステナビリティ報告への投資家等の関心が高まる中、サステナビリティ報告における一貫性や比較可能性を向上させるため、IFRS財団の下に、IASBとは別に「サステナビリティ基準審議会(SSB)」を設置し、企業のサステナビリティ報告に関する新たな基準を設定することを提案し、SSB設置の是非や設置する場合のガバナンス・構成、既存のサステナビリティ報告に係る取組みとの関係、報告の対象とすべきサステナビリティ領域等について、ステークホルダーの意見を募りました。
同意見募集に対し、損保協会から、様々な方法が模索されているサステナビリティ報告の現状を踏まえ、比較可能性に加えて、企業の自主的な創意工夫や業種ごとの特徴を踏まえた開示などの多様性にも価値がある等の意見を提出しました。
<当協会意見概要>
・IFRS財団による国際的なサステナビリティ報告基準の策定が成功するためには、ガバナンスや人材に関する多様性の確保等が重要。
・IFRS財団が築き上げたステークホルダーとのグローバルなネットワークを活かすことが重要。そのためには、幅広いステークホルダーからの十分な支持を得ることが不可欠。
・サステナビリティは国や地域、業種によって取組みのあり方が多様であり、また非財務報告であるサステナビリティ報告では、比較可能性だけでなく、企業の自主的な創意工夫や業種ごとの特徴を踏まえた開示などの多様性にも価値がある。
・報告の対象は資本市場参加者とし、気候変動等が報告企業に与える影響に関する情報に焦点を当てるべき。
・サステナビリティ情報を監査や外部の保証の対象とすることには慎重であるべき。
当協会では、IAIS等の国際機関における各種基準策定の議論に積極的に参加しており、今後も関係国際機関等に対して本邦業界の意見を表明していきます。