平成27年度損保決算概況について
【No.16-015】
2016.06.27
一般社団法人 日本損害保険協会(会長:鈴木 久仁)では、加盟26社の平成27年度決算概況を次のとおり取りまとめました。
(注)下線部分は2017年6月15日に修正しています。
平成27年度決算のポイント
○ 正味収入保険料は自動車保険・火災保険等の伸びもあり5期連続の増収
○ 当期純利益は資産運用収益の増加もあり50%を超える増益
平成27年度決算主要データ・ハイライト
○ 正味収入保険料 8兆3,597億円 ≪対前年度比 2,766億円(3.4%)増≫
○ 正味支払保険金 4兆5,689億円 ≪対前年度比 △366億円(△0.8%)減≫
○ 保険引受利益 1,148億円 ≪対前年度比 △285億円(△19.9%)減≫
○ 利息及び配当金収入 6,167億円 ≪対前年度比 844億円(15.9%)増≫
○ 経常利益 7,947億円 ≪対前年度比 479億円(6.4%)増≫
○ 当期純利益 5,699億円 ≪対前年度比 1,911億円(50.4%)増≫
○ 損害率 59.9% ≪前年度 62.3% 2.4ポイントダウン≫
○ 事業費率 32.1% ≪前年度 32.2% 0.1ポイントダウン≫
○ 総資産 30兆8,500億円 ≪対前年度比 △1,105億円(△0.4%)減≫
○ 純資産 6兆8,160億円 ≪対前年度比 △6,117億円(△8.2%)減≫
平成27年度 損害保険会社決算概況
1.27年度決算の特徴点
- 正味収入保険料は、自動車保険や火災保険の増収により3.4%の増収となりました。
- 正味支払保険金は、26年2月の雪害に係る火災保険の支払い負担の解消などにより0.8%減少しました。
- 当期純利益は、資産運用収益の増加もあり50.4%の増益となりました。
2.保険引受の概況
(1)正味収入保険料
正味収入保険料は、26年度に実施した料率改定などによる自動車保険の増収や、27年10月の商品改定前の契約見直しによる火災保険の増収もあり、全種目合計で26年度比3.4%(2,766億円)増収の8兆3,597億円となりました。
*正味収入保険料=元受正味保険料+受再正味保険料-出再正味保険料
(2)正味支払保険金
正味支払保険金は、27年度に発生した台風等の国内自然災害による支払いが増加した一方、26年2月の雪害に係る支払負担が無くなったことや自動車保険の事故件数の減少などの要因もあり、全種目合計で26年度比0.8%(366億円)減少しました。
損害率は、正味支払保険金の減少と正味収入保険料の増加により、26年度比2.4ポイントダウンの59.9%となりました。
*正味支払保険金=元受正味保険金+受再正味保険金-回収再保険金
なお、27年度中に発生した自然災害による正味発生保険金は2.485億円と、26年度の約2.5倍に増加しました。
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27年度(注) |
26年度(注) |
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正味発生保険金 |
正味発生保険金 |
|
正味支払保険金 |
未払保険金 |
国内自然災害 |
2,485億円 |
2,254億円 |
231億円 |
1,002億円 |
(注)各年度に発生した国内自然災害による全種目合計の発生金額
(3)保険引受に係る営業費及び一般管理費
保険引受に係る営業費及び一般管理費は、システムコストの増加等により26年度比2.5%増の1兆1,994億円となりました。
事業費率は、正味収入保険料の増収により0.1ポイントダウンの32.1%となりました。
損害率と事業費率を合計したコンバインド・レシオは、2.5ポイントダウンの92.0%となりました。
(4)保険引受利益
保険引受利益は、正味収入保険料の増収などにより、前年度に引き続き黒字を確保しましたが、責任準備金繰入の増加などにより、26年度比285億円減益の1,148億円となりました。
*保険引受利益=保険引受収益-保険引受費用-保険引受に係る営業費及び一般管理費±その他収支
3.資産運用の概況
資産運用粗利益は、低金利局面が続いているものの、国内・外の株式の配当金収入の増加による利息及び配当金収入の増収などにより、26年度比12.2%増益の7,222億円となりました。
*資産運用粗利益=資産運用収益-資産運用費用
4.当期純利益
経常利益は、資産運用粗利益の増益により、26年度比6.4%増益の7,947億円となりました。
経常利益に特別損益や法人税等合計を加減算した当期純利益は、26年度の3,788億円から50.4%増益の5,699億円となりました。
5.総資産
総資産は、株式相場の下落等により上場株式の時価が減少したことなどから、26年度末に比べ0.4%減少して30兆8,500億円となりました。
6.ソルベンシ-・マ-ジン比率
ソルベンシー・マージン比率は、協会加盟会社全社とも法律で求める水準を超えており、経営の健全性について問題ない水準となっています。