広島市と共催で防災セミナーを開催

広島市の防災対策や地域防災力に関する講演、避難所図上演習を実施

 日本損害保険協会中国支部(委員長:黒田 昌浩・あいおいニッセイ同和損害保険株式会社常務執行役員)では、2月28日(日)に広島市の中区地域福祉センターにおいて、広島市と共催で「防災セミナー 地域防災力と避難所運営」を開催し、地域の中心となって防災活動を行う防災士や自主防災組織の幹部等75名が参加しました。

 開催に当たり、黒田委員長から、「自然災害は、いつどこで発生するか分からないが、地域の方々が助け合えるコミュニティをつくることで、被害を最小限にとどめることができる。講演を通じて『地域防災力』の重要性を認識し、図上演習を通じて被災時に設営する避難所の運営をイメージしてほしい。」と挨拶がありました。

 セミナーは午前・午後の二部構成で実施し、午前の部では、まず、広島市危機管理室災害予防課 米田 泰治 課長から「広島市の防災対策について~8.20豪雨災害を踏まえて~」をテーマに講演がありました。2014年8月の豪雨災害の概要のほか、同災害を踏まえた広島市の組織強化や防災情報共有システムの構築等の対応について説明があり、災害時に被害を最小化するためには住民と行政が一体となることが不可欠との話がありました。続いて、広島経済大学 松井 一洋 教授から「地域防災力向上の重要課題について」をテーマに講演がありました。地域防災力の向上は重要であること、地域防災力向上のための課題として災害情報の伝達のあり方や子ども達への防災教育等が挙げられ、地域での活動を通じた日常的なつながりが重要であるといった話がありました。

 午後の部では、一般社団法人減災・復興支援機構 木村 拓郎 理事長から「被災後の生活再建について」をテーマに講演がありました。被災後の生活再建の流れや関連する法制度について解説のうえ、避難所での生活について過去の震災の実例を用いて説明があり、避難所で人間らしい生活が送れるようにすることが大切であるといった話がありました。
 続いて、同機構の宮下 加奈 専務理事を講師として避難所図上演習を実施しました。小学校の校舎を避難所と仮定して、各施設の使い方や避難者受け入れに関するルールの策定等、避難所で発生する様々な課題について6人程度のグループに分かれてディスカッションを行った後、講師の解説を交えて検討結果を発表し、各グループで認識を共有しました。

 イベント終了後のアンケートでは「ワークショップは多角的視点で、これまでの経験を集約でき勉強になった。シミュレーションを繰り返すことで、より実践的な対応を図れると思う」等の声が寄せられ、内容の満足度について「期待以上」「期待通り」という声が9割以上を占めました。

 当協会では、本年度から3年間の中期基本計画において、全国各地で自然災害の発生実態や地域特性に応じた防災・減災に資する啓発を行うこととしており、本セミナーはその一環として開催したものです。当支部では、今後も広島市と連携し、自然災害への備えに関して普及・啓発活動を行っていきます。

講演を行う松井教授
図上演習の様子
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