「奈良県過疎地域持続的発展方針(案)」に意見表明
2021.09.21
過疎地域における交通体制および防災・減災を要望
日本損害保険協会近畿支部(委員長:藤原 剛・三井住友海上火災保険株式会社常務執行役員 関西本部長)では、奈良県が令和3年8月2日(月)~令和3年8月31日(火)の間に実施した「奈良県過疎地域持続的発展方針(案)」に関するパブリック・コメント(意見募集)に対し、田澤 邦夫 奈良損保会会長(三井住友海上火災保険株式会社奈良支店長)名で意見表明を行いました。
本方針は、「過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法」に基づき、奈良県における今後の過疎地域の持続的発展のための総括的な方針を示すもので、概要は以下のとおりです。
≪「奈良県過疎地域持続的発展方針(案)」の概要 ≫
○方針期間:令和3年度から令和7年度
○目標 :過疎地域の持続的発展
○主な方針:1移住・定住・地域間交流の促進及び人材育成、2産業の振興、
3地域における情報化、4交通施設の整備及び交通手段の確保、
5生活環境の整備、
6子育て環境の確保、高齢者等の保健及び福祉の向上及び増進、
7医療の確保、8教育の振興、9集落の整備、10地域文化の振興等、
11再生可能エネルギー利用の推進
これに対し、奈良損保会では、以下のとおり意見表明を行っています。
≪「奈良県過疎地域持続的発展方針(案)」への意見内容 ≫
<意見1>
過疎地域においても安全・安心に地域住民が利用できる道路の整備は非常に重要なものと認識しております。他方で県土面積の約77%を過疎地域自治体が占めている奈良県では、道路整備に時間を要することが想定されることから、道路整備と並行して、その間の安全・安心を担保する施策の実施が望まれます。例えば、過疎地域の主要な交通手段が自動車であることから、事故時等に保険会社に自動通報される機能を有するドライブレコーダー付自動車保険について、補助の対象とするもしくは付保の推奨をされてはいかがでしょうか。
【該当箇所】4(1)「道路インフラの整備促進」(P.15)
<意見2>
運転者の危険認知の遅れや運転操作の誤りにおける事故を未然に防止するための安全運転を支援するシステムの更なる発展・普及・啓発や、高齢ドライバーに対する安全運転支援システム等購入時の国の補助金制度の周知徹底等を記載してはいかがでしょうか。
【該当箇所】4(4)「交通確保対策」(P.16)
<意見3>
今回、過疎地域持続的発展方針を策定し、過疎地域における防災・減災対策を推進していくにあたっては、国の補助制度である「がけ地近接等危険住宅移転事業」の利用を市町村に促し、県としても補助等を行うことで、居住不適地域からより安全な地域への移転支援強化も行っていただきたく存じます。
【該当箇所】5(1)「生活環境の整備の方針」(P.16~17)
<意見4>
地域住民に防災・減災に関する学ぶ機会を提供し、住民による地域の災害対応力の向上を図ることも重要です。「関係団体等と連携して防災教育を推進し、住民による地域の災害対応力の向上を図る」という旨を記載してはいかがでしょうか。
【該当箇所】5(1)「生活環境の整備の方針」(P.16~17)
奈良損保会では、今後も行政や関係機関と協力し、地域の安全・安心に資する取り組みを推進します。