「奈良県地域防災計画」修正中間案に意見表明
2022.01.13
奈良県における防災・減災を要望
日本損害保険協会近畿支部(委員長:藤原 剛・三井住友海上火災保険株式会社常務執行役員 関西本部長)では、奈良県が令和3年12月13日(月)~令和4年1月11日(火)の間に実施した「奈良県地域防災計画」修正中間案に関するパブリック・コメント(意見募集)に対し、田澤 邦夫 奈良損保会会長(三井住友海上火災保険株式会社奈良支店長)名で意見表明を行いました。
本修正は、令和元年東日本台風、令和2年7月豪雨等の直近の自然災害や、新型コロナウイルス感染症の感染拡大、災害対策基本法や防災基本計画の見直しといった社会情勢の変化等を踏まえ行うもので、概要は以下のとおりです。
「奈良県地域防災計画」修正中間案の概要
(1)直近の自然災害の課題や教訓を踏まえた修正
・災害リスクととるべき行動の理解促進
・市町村への迅速な人的支援(リエゾン派遣)による情報収集
・被災者・市町村への発災時の物資支援態勢
・長期停電・通信障害への対応
(2)社会情勢の変化等を踏まえた修正
・避難所等における新型コロナウイルス感染症対策
・災害対策基本法の改正(新たな避難情報の運用、個別避難計画作成の努力義務化 など)
・公助と併せた自助・共助の推進
これに対し、奈良損保会では、以下のとおり意見表明を行っています。
「奈良県地域防災計画」修正中間案への意見内容
<意見1>
事前減災の観点から、災害ハザードエリア等における開発抑制・移転促進は重要です。県民にインセンティブを付与するような踏み込んだ施策(補助金等の整備など)の実施、およびそれに関する県民への情報発信について、積極的に推進いただきますようお願いします。
また、今年7月の大雨では、静岡県熱海市の伊豆山において土石流が発生し、甚大な被害を及ぼしました。盛土による土砂災害リスクについても、危険個所の確認、対応策、県民への情報発信等を記載いただき、積極的に推進いただきますようお願いします。
【該当箇所】
<水害・土砂災害等編> 第2章 第33節 総合的な土砂災害防止対策 (P.140)
<水害・土砂災害等編> 第2章 第40節 宅地等災害予防計画(P.151)
<意見2>
ある企業が営業不能に陥ることで連鎖的に他企業に影響を与え、市場全体を麻痺させるおそれがあります。中小企業を中心とした事業継続計画(BCP)の策定、事業継続マネジメント(BCM)の実施や防災活動を促進するための各種施策については、損保業界としても引き続き積極的に推進していく所存であり、従来から実施されているBCP策定支援に加え、BCPの策定を行った中小企業へのインセンティブを設けるなど、継続した支援取組みの実施をお願いします。
【該当箇所】
<水害・土砂災害等編> 第2章 第9節 企業防災の促進に関する計画(新旧対照表 P.16)
<地震編> 第2章 第9節 企業防災の促進に関する計画(P.75)
近畿支部では、今後も行政や関係機関と協力し、地域の安全・安心に資する取り組みを推進します。