東日本大震災5年シンポジウムを開催
~これからの社会を担う大学生を対象に防災・減災を啓発~

 日本損害保険協会(会長:鈴木 久仁)では、3月8日(火)に東日本大震災5年シンポジウム「もっと!防災~東日本大震災の教訓から、防災・減災について考える」を有楽町の朝日ホールで開催し、545名が参加しました。本シンポジウムは、東日本大震災から5年の節目を機に、これからの社会を担う大学生と震災を振り返り、今後想定される首都直下地震等の巨大自然災害へのリスクを認識し、いざという時にどう行動するのかを考え、地域防災を担うリーダーとなる契機としてもらうことを目的に開催したものです。

 冒頭、鈴木協会長から主催者挨拶を兼ねて「東日本大震災を振り返り、皆さんに伝えたいこと」をテーマに講演があり、発災から3ヶ月で1兆円を超える地震保険金を支払い、被災者の生活再建に役立ててもらったことなど損保業界の対応や、震災の対応を踏まえ自助・共助の大切さを風化させずに次に活かすことが大切であるとの話がありました。続いて、舛添要一東京都知事からビデオメッセージがあり、東日本大震災を振り返りこれから起こりうる自然災害リスクとその恐ろしさをきちんと認識する必要があること、災害時には若い力が必要であり、平時からリーダーとなって地域の防災力を高めてほしいなどのコメントが寄せられました。

 次いで、基調講演では、明治大学大学院政治経済学研究科特任教授の中林一樹氏から「東日本大震災の教訓を活かして ~巨大自然災害(首都直下地震等)へどう備えるか~」をテーマに講演がありました。東日本大震災の想定外の1つとして個人や企業は自らが被災者になることや被災状況を十分に想定していなかったこと、また、首都直下地震が発生した際の建物被害・人的被害の想定や大学の被災状況等について説明があり、自分も被災者になることを想定し自助として平時からの地震対策を実践することが余裕を生み共助につながること、災害を想像し対策を創造する二つの「そうぞう力」で災害は乗り越えられるとのまとめがありました。

 最後のパネルディスカッションでは、コーディネーターに共同通信社東京編集部長の所澤新一郎氏、パネリストに大阪大学大学院人間科学研究科教授の渥美公秀氏、被災地NGO恊働センター顧問の村井雅清氏のほか、岩手県立大学3年の小笠原果美さん、福島大学 3年の加藤実可子さん、法政大学 2年の菊川淳さんを迎え、「防災・減災について考え、行動する」をテーマに議論を行いました。パネリストからは、「被災地に足を運び、被災者の話を聞くだけでも被災者の方を笑顔にすることができ、若者が生み出す活力は大きいと感じている」といった活動に関する思いが述べられました。また、平時における防災活動としては「普段から地域住民とのつながりを大切することが重要」「ぼうさい探検隊のまち歩きやマップ作り自体が防災訓練になる」との話がありました。聴講している大学生に対しては「ボランティア活動は地域に住む方々が求めることと、自分がやりたいことを摺り合わせることで、より良い結果を生むことができる」「災害への備えとして防災について自分が学んだことや知っていることを周りに広めて欲しい」といったメッセージが述べられました。最後にコーディネーターの所澤氏から「災害時には若い力が必要となるので、自分の身を守りながら、一人でも多くの若い方々に防災に関して行動する側に回ってほしい」とのまとめがありました。

 シンポジウムに参加した大学生からは、「東日本大震災での損保業界の対応を知ることができ有意義だった」「改めて防災について考える良い機会となった」との感想が寄せられました。

 当協会では、今後も防災・減災に関する意識啓発活動を行っていきます。

主催者挨拶・講演を行う鈴木協会長
中林教授による基調講演
会場の様子
大学生を交えたパネルディスカッション

関連情報 「防災探検隊リーダー養成講座」について

 当協会では、小学生の子ども達が地域を歩きながら防災マップを作成する「ぼうさい探検隊」を実施しており、大学生を含む大人向けに、子ども達のまち歩きやマップ作成をサポートするリーダーの養成講座も併せて行っております。本シンポジウムにおいて、「ぼうさい探検隊」のリーダー(引率)役としての活動等について当協会からのご案内を希望するかどうかアンケートを行い、地域防災を担うリーダー育成につなげております。

※「ぼうさい探検隊リーダー養成講座」など防災教育情報の掲載先
「ぼうさい探検隊リーダー養成講座」にご興味がある方は以下のリンクから詳細情報をご覧いただき、養成講座へ参加希望の方は、ホームページに記載されているお問い合わせ先までご連絡ください。

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