首都直下地震をテーマとしたシンポジウム等を開催
~「第1回防災推進国民大会」に参画~

 日本損害保険協会(会長:北沢 利文)では、8月27日(土)・28日(日)に内閣府等が主催する「第1回防災推進国民大会」に参画し、首都直下地震をテーマとしたシンポジウム・ワークショップ等を東京大学で実施しました。

1. シンポジウム「20XX年首都直下地震 その時、私たちの生活は」

(開催日時:8月27日(土)14時~16時、開催場所:小柴ホール、参加者数:184名)

 開催にあたり、堀専務理事から、「東京を含めた首都圏における防災面での喫緊の課題の1つは首都直下地震への備えであり、パネルディスカッションを通じて、首都直下地震に対する備えと行動を考えてもらい、学びや気づきを地域の防災力向上に役立ててほしい」と主催者挨拶がありました。
 次に、熊本地震、東日本大震災、阪神・淡路大震災の被害をスライドで振り返った後、コーディネーターに日本テレビ報道局の谷原和憲氏、パネリストに明治大学大学院政治経済学研究科特任教授の中林一樹氏、東京大学大学院情報学環/地震研究所准教授の三宅弘恵氏、東京大学大学院工学系研究科准教授の廣井悠氏を迎え、「揺れを知る」「被害を知る」「生き抜くために」をテーマにパネルディスカッションを実施しました。

「揺れを知る」

 三宅氏から、「首都直下地震は発生場所が不明であり、様々な発生場所での想定がなされている。」「揺れに加え、津波や火災も併せた複合災害発生の可能性も認識しておく必要がある。」等の解説がありました。

「被害を知る」

 中林氏から、「最も大きな被害が想定されている都心南部地震では環状7号線付近の木造家屋密集地などで被害が特に大きくなる。」「家屋が倒壊すると火災が多発する。よって被害軽減のためにはまず耐震化や家具固定等が重要である。」等の解説がありました。

「生き抜くために」

 廣井氏から、首都直下地震が発生した場合の火災避難・帰宅困難等について「首都直下地震では大量の帰宅困難者(車両・歩行者)による「渋滞」の発生が想定される。」「「渋滞」の解消には、企業による従業員の滞留や車両による送迎を控えることが有効である。」等の解説がありました。

 最後に、谷原氏から「本シンポジウムで学んだ内容を自分用にカスタマイズし、首都直下地震について考え、備えるきっかけとしてほしい。」とのまとめがありました。

 シンポジウムの聴講者からは、「首都直下地震について、それぞれの専門家の方のデータをもとに、説得力のある説明で良くわかった。」との感想が寄せられました。

パネルディスカッションの様子

2.ワークショップ「首都直下地震を想定した避難所図上演習」

(開催日時:8月28日(日)13時30分~15時、開催場所:山上会館、参加者数:36名)

 開催にあたり、深田常務理事から、「首都直下地震発生時には避難所の運営は大きな課題であり、ワークショップを通じて、避難所では何が起き、どう対処するかを考えてもらい、学びや気づきを避難所の運営が必要となった際に役立ててほしい。」と主催者挨拶がありました。

 演習は、一般社団法人 減災・復興支援機構の理事長の木村拓郎氏および専務理事の宮下加奈氏をコーディネーターとして実施されました。最初に木村氏から避難所の実例や首都直下地震の避難者数、避難所の悪環境による災害関連死などの解説がありました。
 続いて、宮下氏を講師として、6つの班に分かれて1.学校施設(避難所スペース)の使い方、2.入所時の注意事項、3.トイレの使い方、4.高齢者や災害時要援護者への配慮などの課題について演習を実施し、講評がありました。

 ワークショップの参加者からは、「避難所の運営にあたり、普段の生活では考えつかない問題点が多くあることが分かり勉強になった。」との感想が寄せられました。

ワークショップの様子

3.損害保険業界の防災・減災に関する取組みの展示

(開催日時:8月27日(土)・28日(日)、開催場所:小柴ホールホワイエ)

 「各社の防災・減災の取組み」「防災・減災に資する一般市民向けの取組み」「ぼうさい探検隊」「ぼうさいダック」「地震保険」に関するパネル展示・冊子等配布を行いました。

展示の様子
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