ヤンゴンでISJ海外セミナーを開催
~自動車・火災保険の損害査定、業界団体の取組み等の日本の経験を紹介~
2016.09.21
日本損害保険協会(会長:北沢 利文)は、9月8日(木)と9日(金)にミャンマーのヤンゴンで、公益財団法人 損害保険事業総合研究所(損保総研)と共催で、「保険市場の持続的発展を目指して」(Achieving Sustainable Development of Insurance Markets)をテーマにISJ(日本国際保険学校)海外セミナーを開催しました。
ミャンマーの保険会社、監督官庁(計画・財務省)から、初日のセミナーが149名、二日目の幹部を対象としたワークショップが70名と、当初予定を大きく上回る参加があり、セミナーへの大きな期待が窺われました。
日緬両業界トップがセミナーの意義・期待を表明
開講式では当協会の深田 一政 常務理事が開講挨拶を行い、「保険会社が、事故発生時に迅速・的確に保険金を支払い、またノウハウを活かして損害防止・軽減の支援を行なうことは、当該企業・個人だけでなく、社会・経済全体が発展していく上で大きな役割を果たすこと」、「社会からの信頼を向上させ、業界を健全に発展させるためには、業界ベースでの取組みも重要であること」等に触れ、「今回のセミナーが、こうした重要な課題について理解を深め、ミャンマー損保業界全体のより健全で持続的な発展につながる解決策を見つけるきっかけとなることを望んでいる。」とセミナーへの期待を述べました。
また、在ミャンマー日本国大使館の樋口 建史 特命全権大使、ミヤンマ・インシュアランス社のエイ・ミン・テイン 社長(ミャンマー計画・財務副大臣の代理)からの挨拶がありました。エイ・ミン・テイン社長からは、海外セミナー開催をはじめ、これまでの永年にわたる日本からのミャンマーへの貢献に対する謝意が表されました。
閉会式では損保総研の佐野 清明 理事長が挨拶を行ないました。またミャンマー計画・財務省・金融規制局のミン・ウー副局長から、セミナー開催に対する謝意が述べられた後、「今回のセミナーで日本の金融庁や業界が、健全な発展のためにしっかりとした取組みを行なっていることがわかった。ミャンマーでは取り組まなければならない課題が沢山あり、今後もミャンマーの発展のために支援いただきたい。」として、日本に対する期待が表明されました。
セミナーの内容
セミナーでは、保険契約・事故の増加に伴い査定担当者の育成等が急務となっていることを受け、自動車・火災保険の損害調査や損保会社のリスクマネジメントサービスを取り上げた他、再保険や、損保協会・損保総研・損保料率機構の活動を紹介しました。また「自分たちが手本とする日本の金融庁の経験から学びたい」とのミャンマー計画・財務省金融規制局の要請を受け、金融庁監督局保険課の及川 景太 課長補佐に講義をいただきました。
ミャンマーでは、現在、保険協会設立の検討が進んでおり、当局が各保険会社と協議の場を持つ直前のタイミングで、健全な発展を促進する上での業界ベースの取組みの意義や具体例を紹介することができました。
(ご参考)
・ISJは、国連貿易開発会議(UNCTAD)の勧告および東アジア保険会議(EAIC)の要請に基づき、当協会と損保総研の共催で、1972年から毎年、東アジア諸地域に対する技術援助プログラムとして開講している国際的保険研修プログラム。
・現在、東アジア16カ国・地域が参加しており、東京で各2週間開講する一般コース・上級コースと、参加各地域に講師を派遣するISJ海外セミナーから構成。
・当協会では、ISJをはじめ、様々な場を通して、東アジア保険市場との相互理解・交流を深めており、ISJ一般コース・上級コース参加者の帰国後も、卒業生(OB)会報の送付や、保険実務に関する照会への回答などを通して、卒業生との関係維持に努めている。