IAISのICP13市中協議への意見書を提出
~再保険、およびその他リスク移転に関する基準について意見を表明~
2017.08.01
日本損害保険協会(会長:原 典之)は、保険監督者国際機構(IAIS)の「保険基本原則(ICP)13(再保険、およびその他リスク移転)」の市中協議に対する意見書を7月31日(月)に提出しました。
「ICP」は、保険分野の健全な発展を促し、保険契約者を適切に保護するために必要となる保険監督上の基本的な原則を定めた監督文書です。IAISメンバー国・地域は、ICPに則った監督制度を実施することを推奨されています。また、世界銀行・IMFの金融セクター評価プログラム(FSAP)では、このICPを基準として、評価対象国の保険監督制度が国際水準を満たしているかを評価しています。
IAISでは、現在ICPの包括的な見直しを進めており、今回は「再保険、およびその他リスク移転」に関する基準であるICP13の改定案が2017年6月1日から7月31日まで市中協議に付されました(ICP全体の改定完了は2019年予定)。
改定案では、現行のICP13が策定された2011年以降の再保険市場・ビジネスの進展や監督慣行を反映し、再保険の地理的リスク分散の意義、各管轄区域間の監督承認、資本市場へのリスク移転等に係る規定の充実が提示されています。また、各管轄区域でのICP13の実施にあたり、監督者に期待される事項の明確化も図られています。
当協会はIAISでの国際基準策定の議論に積極的に参加しています。今回の市中協議に対し、当協会からは以下を含む意見を表明しています。詳細は、下記リンク先をご参照ください。
- 取締役会・上級管理職の役割分担および効率的な経営管理の観点から、再保険プログラムの策定・見直しおよび任再保険手配に係る実務は上級管理職が決定・実行すれば十分であり、取締役会に承認を求めることは非効率的である。
- 出再者の再保険プログラムの評価要素およびグループの再保険戦略の構成要素は、保険者の状況に応じて異なるものであり、一律に要件を設定すべきではない。
- 再保険戦略および再保険プログラムが不適切または不当なリスクをもたらすと監督者が感じる場合には異議を唱える、との記載は監督者の恣意性を喚起させるため、表現を修正すべきである。
- 出再者の事業目的や再保険戦略により、代替的リスク移転を利用するかどうかは異なるため、必要な場合に手配を行うことを明記すべきである。