10月18日は「東アジア保険の日」
2017.10.13
日本損害保険協会(会長:原 典之)では、情報・意見交換を通して、海外の損害保険市場との相互理解・交流を推進しており、1962年に東京で発足したアジア最大の国際保険会議である「東アジア保険会議」(East Asian Insurance Congress:EAIC)にも、生命保険協会と連携をとって積極的に参画しています。
EAICの定めた「東アジア保険の日」(10月18日)を迎えるにあたり、原 典之 協会長(三井住友海上社長)のメッセージを、国内外に向けて発信します。
また、北沢 利文 EAIC東京代表理事(東京海上日動社長)から寄せられたメッセージも紹介します。
アジア全体の保険市場が健全な発展を遂げ、社会・経済の発展に貢献していくために、EAICの場で行われている活動について、ご理解いただく一助となれば幸いです。
「東アジア保険の日」を迎えて
東アジア保険会議(East Asian Insurance Congress: EAIC)が定めた「東アジア保険の日」(10月18日)を迎えるにあたり、日本損害保険協会を代表してご挨拶を申し上げます。
EAICは1962年10月18日に東京で発足しました。第1回東京大会は、海外からの参加者がわずか20数名程度の小さな規模でしたが、近年では世界30カ国・地域、1,200名以上の保険関係者が集まるアジア最大の保険会議に発展しました。東アジア保険の日は、EAICが、各地域における保険の果たす役割・重要性やEAICの活動への理解促進に一層取り組むことを目的として、2006年にブルネイのバンダルスリブガワンで開催された第23回大会にて制定したものです。今年で11回目を迎えますが、各地域が協力してこのような取り組みを行うことは、東アジアの保険業界の健全な発展と社会の発展に寄与する、大変有益なことであると感じています。
日本損害保険協会では、この東アジア保険の日に、保険の果たす役割・重要性やEAICの活動に対する理解を促進するため、今年度も次の取り組みを行っています。今後もその有意義な活動を会員会社を挙げて継続的に支援していきます。
(1)当協会建物内におけるEAICの設立趣旨、歴史、活動を紹介するパネルの展示
(2)ホームページ、保険業界紙を通じた広報活動
(3)約2,000名のISJ卒業生のネットワークを活用した次回EAIC大会への参加呼びかけ
また、当協会では、国連貿易開発会議(UNCTAD)の勧告とEAICからの開催要請を受け、東アジア地域の保険業に携わる方々を対象とした国際的保険技術支援プログラムである日本国際保険学校(ISJ)を1972年より毎年開催しています。東アジア地域の保険業に携わる方々のお役に立ちたいという目的から発足したISJは45年の歴史の中で約2,000名の卒業生を輩出し、参加各国・地域の保険関係者から高い評価をいただいております。東アジア保険の日は、EAICとISJの長い歴史と緊密な協力関係を再認識する日でもあります。
さて、当協会は本年5月29日に創立100周年を迎えました。今日に至るまでの100年の間には様々な環境変化があり、私たちはその環境変化に適切に対応することにより、社会とともに着実な発展を遂げてきました。これからの時代は、技術革新やグローバルな人口動態の変化、自然環境の変化等により、これまでより更に速いスピードで社会・経済が変化していくことが予想されます。そうした中で、われわれ損保業界が、今後も環境変化に適切に対応し、社会に必要とされるカバー、ソリューションを提供し続けていくためには、東アジアの各地域間で相互に連携しながら、意見交換を重ねていくことの重要性が益々大きくなっていくものと考えます。
今回の東アジア保険の日の取り組みが、各地域の保険業界で働く全ての人々にとって、保険が社会・経済の発展のために果たすべき役割・重要性を見つめ直す良いきっかけとなることを心から願っております。今後の東アジアの保険市場の益々の発展を祈念して、わたくしのお祝いの言葉に代えさせていただきます。
「東アジア保険の日」にあたって
2016年の第28回マカオ大会で、私がEAIC東京代表理事に就任してから約1年が経過しました。第28回大会では、「保険の未来:顧客中心主義(The Future of Insurance: Customer-Centricity)」をメインテーマにデジタル進化、低金利、自然災害、少子高齢化等について各都市代表によるプレゼンテーション、意見交換が行われました。
次回第29回大会は、「創造的破壊への対処、変化への推進(Managing Disruptions, Driving Change)」とのメインテーマのもと、来年5月にマニラにおいて開催されます。本大会には、東アジア12都市のEAICメンバーだけでなく、世界中から千名以上の保険専門家の参加が見込まれています。デジタル・IT技術が従来のビジネスモデルを大きく覆し、大きな変革が予想される中で、われわれ保険業界がどのように変化に対応していくのかについて、課題の共有と議論が行われます。世界中から集まる保険専門家の皆様と、より良い解決策を探るための有意義な機会となることを期待しております。
アジア各国・地域において社会・経済が着実に発展を遂げる中で、保険の果たす役割・重要性は、これまでにも増して高まってきています。そのような中、損保協会は本年5月には東京にて、アジア5か国の金融当局や保険協会から16名、日本から金融庁を含め18名が参加し、「アジア損害保険エグゼクティブフォーラム」を開催いたしました。今後も、こうした取組みやEAICの場を通じてアジア各国・地域とこれまで以上に関係を強化していきたいと考えております。
さて、10月18日は、EAICのメンバー地域がそれぞれ保険の普及を図り、またEAICの活動に対する理解を深めるべく取組を行うこととした「東アジア保険の日」です。東アジアの様々な地域が、こうした共通の取組を行うことは、各地域が協力して、アジア全体の保険業界の健全な発展を図り、地域の人々の生活の安定や社会の発展に寄与するために有益なことであると考えます。私は、保険は「人類が生み出した素晴らしい知恵・仕組み」であると考えております。そして、これをひとりでも多くの方にお届けし、安心と安全を広げていくことが、私ども保険に携わるものの使命です。今後の益々のご発展を祈念して、私のお祝いの言葉に代えさせて頂きます。
EAIC役員(2016年-2018年)
- President
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Mr. Chris Ma
(マカオ保険協会 会長)
- Vice President
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Mr. Augusto P. Hidalgo
(フィリピン損害保険・再保険協会 会長)
- General Secretary
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長嶌 徹氏(国際保険振興会 専務理事)
- Auditor
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大坪 護(日本損害保険協会 国際企画部長)
- Committee Member for Tokyo
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北沢 利文氏(東京海上日動 社長)
(他のメンバー地域のCommittee Memberは省略)