ヤンゴンでISJ海外セミナーを開催
~現地で課題となっている自動車保険商品・料率改定に向けた環境作りを支援~

 一般社団法人 日本損害保険協会(会長:西澤 敬二)は、9月6日(木)と7日(金)にミャンマーのヤンゴンで、公益財団法人 損害保険事業総合研究所(損保総研)と共催で、ISJ(日本国際保険学校)海外セミナーを開催しました。 セミナーには、ミャンマーの保険会社、保険監督官庁等から130名が参加しました。

 開会式では、日本側からは損保協会の伊東 祐次 常務理事が、ミャンマー側からはミャンマー保険協会のサンダー・ウー 会長が挨拶を行いました。サンダー・ウー 会長からは、日・緬両保険業界は長年にわたり良好な関係にあり、ミャンマーは日本から多くのことを学んだとして、日本の支援に対して謝意が表明されました。また情報交換や課題に関する論議は重要であるとして、今後もこうした場を設けてほしいとの期待が表明されました。また、丸山 市郎 駐ミャンマー日本国特命全権大使に来賓としてご挨拶いただきました。閉会式では、損保総研の佐野 清明 理事長が挨拶を行いました。

セミナーの内容

 セミナーのプログラム策定にあたっては、損保協会と損保総研の職員が事前にミヤンマー保険協会等を訪問して、現地市場の課題を聴取しました。 ミャンマーでは経済発展とともに自動車・交通事故件数が増加しており、現状に応じた自動車保険商品の開発、普及が課題となっています。これを受け今回のセミナーでは、「社会のニーズに応じた必要な保険カバーを提供するために」をメインテーマとして、自動車保険商品・料率の改定、保険募集・保険金支払いの適正化等を取り上げ、これらの意義・課題や、必要とされる専門知識について広く業界関係者の理解を深め、改定に向けた環境作りを進めました。

協力覚書に基づく支援の一環

 損保協会は、本年1月15日にミャンマー保険協会と協力覚書(MoU)を締結し、また5月2日にはMoUに基づく具体的な「支援計画」を手交しています。さらに金融庁がミャンマー計画財務省に手交した官・民連携による「ミャンマー保険セクター支援計画」にも参画し、損保料率機構等とともに支援を進めています。 今回のセミナーは、こうした継続的な支援の一環として開催しました。

現地テレビ・ニュースでも報道

 セミナーでは、事前調査に基づき、ミャンマーで課題となっている課題を取り上げ、実務的・具体的で分かりやすいプレゼンを行ったことにより、参加者から高い評価を得ることができました。参加者からは、日本の制度・実務の内容だけでなく、制度導入時に直面した課題や、ミャンマーで導入する際の助言についても質問が多数寄せられ、質疑応答は予定時刻を大幅に超過して行われました。また「商品開発や料率、修理費適正化について先進的な知識を得た」(保険会社社員)、「保険監督者として注意すべき点について理解を深めた」(監督官庁職員)等の感想が多数寄せられました。
 今回のセミナー開催は、現地の新聞だけでなくテレビ・ニュースでも報道され、自動車保険の重要性に対する理解を社会一般にも広げることもできました。

ご参考

 ISJは、国連貿易開発会議(UNCTAD)の勧告および東アジア保険会議(EAIC)の要請に基づき、当協会と損保総研の共催で、1972年から毎年、東アジア諸地域に対する技術援助プログラムとして開講している国際的保険研修プログラムです。
 現在、東アジア16カ国・地域が参加しており、東京で各2週間開講する一般コース・上級コースと、参加各地域に講師を派遣するISJ海外セミナーから構成されています。
 当協会では、ISJをはじめ、様々な場を通して、東アジア保険市場との相互理解・交流を深めており、ISJ一般コース・上級コース参加者の帰国後も、卒業生(OB)会報の送付や、保険実務に関する照会への回答などを通して、卒業生との関係維持に努めています。

開会挨拶で伊東常務理事がニーズに合致した保険商品提供の重要性を強調
サイト内検索