IAISのコムフレーム市中協議への意見を提出
~ガバナンス、リスク管理などの国際保険監督基準案に対する意見を表明~

 日本損害保険協会(会長:西澤 敬二)は、保険監督者国際機構(IAIS)のコムフレーム(ComFrame)市中協議への意見書を10月30日(火)に提出しました。

 コムフレームは、正式名称を「IAIGsの監督のための共通の枠組み」と言い、「IAIGs(国際的に活動する保険グループ)」(※1) に対し、ICP(保険基本原則)(※2) の追加として適用される監督要件です。コムフレームの内容にはガバナンス、リスク管理等の定性要件、定量要件(資本要件)、監督者に対する要件(監督者間協力、破綻処理等)が含まれ、資本要件として、国際保険資本基準(Insurance Capital Standard:ICS)の策定が進められています。また、適用度・強制度に応じ、「コムフレーム基準」、「コムフレームガイダンス」の2層で構成されています。IAISは、ICSを含むコムフレーム全体の2019年の完成、2020年の実施を予定しています。

 今回の市中協議では、ガバナンスやリスク管理、是正措置、破綻処理等に関連する部分が2018年7月31日から10月30日まで市中協議に付されました。

 損保協会はIAISでの国際保険監督基準策定の議論に積極的に参加しています。今回の市中協議に対し、損保協会では、以下のような過剰・柔軟性を欠く内容、規制の整合性を欠く内容、監督者の権限を越える内容等に対し、修正を求める意見を提出しています。詳細は下記リンク先をご参照ください。

コムフレーム市中協議に対する主な損保協会意見

保険監督者国際機構(IAIS)の「IAIGsの監督のための共通の枠組み(コムフレーム)」に関する損保協会意見(PDF)

(※1)「IAIGs(国際的に活動する保険グループ)」

 IAIGsは以下の3つの基準で選定される。ただし、監督裁量により追加・削除されうるとされている。IAISは世界で50社程度がIAIGsとなるとの見方を示している。

  • 保険契約を3以上の管轄区域で引き受けていること。
  • 母国以外からの引受保険料総額が、グループ全体の引受保険料総額の10%を超えること。
  • 総資産が500億米ドル以上または引受保険料総額が100億米ドル以上であること。

(※2)ICP(保険基本原則)

 IAISが定める、すべての保険者・保険グループの監督において適用されるべき基本原則。保険監督機関が自らや保険会社に関し権限を持ち、管理すべき分野(例:免許交付、モニタリング、検査、破綻処理、ガバナンス、リスク管理、資本十分性、投資、開示等全26の項目で構成)について定めている。適用度・強制度に応じ、「原則」、「基準」、「ガイダンス」の3層で構成される。

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