防災シンポジウム「生活復興は家計の備えから」を開催! ~シンポジウムの内容等は東京MXテレビで12月15日(土)19:30から放映~
2018.11.21
日本損害保険協会(会長:西澤 敬二)では、日本災害復興学会創立10周年を記念して、同学会との共催で、11月17日(土)に、「生活復興は家計の備えから」をテーマとし、地震保険などの自助による「経済的備え」の重要性の啓発を目的に、有識者によるシンポジウムを実施しました。
パネルディスカッションでは、大災害発生後の復興期における苦しい実情について(災害による地域経済の疲弊、給与・収入減、被災者の生活再建等)課題が提起されたのを踏まえて、地震保険など経済的な備えの重要性について議論しました。
参加者のほとんどから、「たいへん満足」「満足」といった高い評価を受けるとともに、「被災後の生活再建がいかに困難であるか認識できた」「登壇者各々が災害への切り口が異なるため、最後まで興味深く聞くことができた」「普段気にも留めていないことであったが、改めて家計防御の必要性を感じた」等の感想が多く寄せられました。
なお、12月15日(土)19:30から、俳優の緒形直人氏をナビゲーターに迎え、震災被災地でのロケと本シンポジウムの映像を交えた、地震への備えを考える特別番組(番組タイトル:いつか来る大地震への備え)を東京MXテレビで放送予定です。
損保協会 開催プログラム内容
- ■テ ー マ
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「生活復興は家計の備えから」
- ■日 時
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11月17日(土)13:30~16:00
- ■会 場
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大手町プレイスカンファレンスセンター ホールA
- ■来場者数
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約90名
- ■内 容
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以下の登壇者によるパネルディスカッション
・開会挨拶
伊東 祐次 (一般社団法人日本損害保険協会常務理事)
・コーディネーター
所澤 新一郎氏 (共同通信社編集局ニュースセンター整理部長兼気象・災害取材チーム長)
・パネリスト
津久井 進 氏 (弁護士法人芦屋西宮市民法律事務所代表
近畿災害対策まちづくり支援機構事務局次長)
稲垣 文彦 氏 (公益社団法人中越防災安全推進機構
業務執行理事 統括本部長 博士(工学))
佐藤 主光 氏 (一橋大学大学院経済学研究科教授)
清水 香 氏 (ファイナンシャルプランナー/社会福祉士)
渡辺 由美子氏 (特定非営利活動法人キッズドア理事長)
・閉会挨拶
大矢根 淳 氏 (日本災害復興学会会長)
問題提起
所澤氏より、「東日本大震災では、全壊した住宅の再建に必要とされる2,500万円(平均)のうち、被災者生活再建支援金で300万円、義援金で100万円ほどの支給に留まっており、足りない部分は自助で備えなければならない現状である」との問題提起がありました。
テーマ1:被災地(東北)における、被災後の生活復旧の金銭面の苦しい実情について
渡辺氏より、テーマに関して、「大規模災害では広域で被害が発生し、経済的に厳しい人ほど大きな影響が出ている」「震災後から時間が経てば経つほど、手元の資金の有無が、子どもの教育や生活の質に大きな影響を与える」などの説明がありました。
テーマ2:金銭面の支援に関して子どもへの寄付金制度および災害時における貸付金の現状と課題について
津久井氏より、テーマに関して、「被災者の生活再建支援制度について、事情を鑑みずにお金を払うだけでよいのか」「災害ケースマネジメントとして、被災者の状況を細かく分類し、それぞれの状況に応じた支援をすることが、費用を抑えながらも迅速で効果的な支援につなげられると考える」などの説明がありました。
テーマ3:地震保険制度の現状と課題
佐藤氏より、テーマに関して、「地震保険は、社会保険のように所得に応じた保険料ではなく、リスクに応じた保険料となっている」「保険料が高いから入らないという考え方を改め、保険料が高いということは地震のリスクも高いと認識し、加入を検討してほしい」「地域によって加入率に大きな差が出てしまっていることも問題」などの説明がありました。
テーマ4:被災後の生活再建で必要となるお金の備えについて被災者への公的制度や支援金、保険の機能について
清水氏より、テーマに関して、「巨大な災害に遭うことの恐ろしさは、住まいや仕事といった私たちの普段の生活を成り立たせている柱が一気に失われてしまうことである」「また、多くの人が被災時には国が何とかしてくれると期待しているが、その認識と公的支援の実情とのギャップが非常に大きい状態となっている」「同様に災害リスクへの認識も低い状態であり、自分には関係ないだろうとの意識を変えていかなければならない」などの説明がありました。
テーマ5:コミュニティ視点での、公的制度や支援金、保険等の活用事例と利用者の声について
稲垣氏より、テーマに関して、「中越地震時の山古志村では、多くの人が自助による備えをしており、住民に被災直後から金銭的な余裕・安心感が広まり、復旧に向けた話し合いもスムーズになった」「個人が自助で保険等に入っていたからこそ復興できたというメッセージを伝えていくことが必要だ」などの説明がありました。
問題提起
(所澤 新一郎氏)
被災地(東北)における被災後の生活復旧の金銭面の苦しい実情
(渡辺 由美子氏)
金銭面の支援に関して
子どもへの寄付金制度
災害時における貸付金の現状と課題
(津久井 進氏)
地震保険の背景と制度
(佐藤 主光氏)
被災後の生活再建で必要となるお金の備え
被災者への公的制度や支援金
保険の機能
(清水 香氏)
コミュニティ視点での公的資金や支援金
保険等の活用事例と利用者の声
(稲垣 文彦氏)