NAIC QJ・RJ評価プロセス案の意見を提出
2019.10.10
日本損害保険協会(会長:金杉 恭三)は、全米保険監督官協会(NAIC)のQualified Jurisdiction (QJ)・Reciprocal Jurisdiction (RJ)評価プロセス案に関する意見募集に対する意見を10月4日(金)に提出しました。
米国(財務省、通商代表部)は、2017年9月にEU、2018年12月には英国との間でカバードアグリーメント(CA)に署名し、その結果、米国は一定の基準に合致する再保険会社に対し、再保険担保を5年以内に撤廃することとなりました。
再保険担保の具体的な撤廃方法は、米国で保険監督を担っている各州およびNAICが検討することとされました。NAICは2019年6月25日に、CAと同等の要件(米国本拠の保険グループに対しQJのグループ監督に服することを求めないこと等)を満たした日本を含む非CA締結国であるQJをRJとして認定し、再保険担保を撤廃することを盛り込んだ、新たな再保険モデル法の改正案を採択しました。
今般、NAICは同改正に対応するため、RJ認定ルールを整理した本プロセス案を市中協議に付し、意見募集することとなりました。
NAIC QJ・RJ評価プロセス案の概要は以下のとおりです。
- 本プロセス案は、QJ・RJの認定プロセスを規定するルールであり、既存のQJ認定用ルールを改定したもの。
- 非CA締結国であるQJがRJに認定されるためには、米国本拠の保険グループに対しQJのグループ監督に服することを求めないこと等を記した書面(レター)をNAICに提出することが求められる。
- RJの認定方法は、可能な限りQJ認定プロセスを活用し、QJ・RJ認定後は、毎年デューデリジェンスレビューが行われる。
それに対し、損保協会が提出した意見の概要は以下のとおりです。
- 本プロセス案は、これまで損保協会が求めてきた規制の整合性や公正性、効率性の確保、規制の重複の確保の排除などの考え方に沿っており、今後のRJ認定やCertified reinsurer認定手続きも、透明で効率的なプロセスで進むことを期待する。
- 規制の効率性の観点から、RJ認定要件が実質的に担保されていることを確認すれば十分である。
- 日本を含む非CA締結国であるQJのRJ認定に係る、今後の進め方やスケジュール感について明らかにしていただきたい。