バンコクでISJ海外セミナーを開催
現地で課題となっている課題を取上げ、解決案を提示

 日本損害保険協会(会長:金杉 恭三)は、公益財団法人 損害保険事業総合研究所(損保総研)と共催で、9月10日(火)と11日(水)の両日、タイのバンコクで、ISJ(日本国際保険学校)海外セミナーを開催しました。

 セミナーには、タイの損害保険会社、保険監督官庁等から2日間で延べ280名が参加しました。セミナーには、タイの新聞社約20社が取材に訪れました。

セミナーの内容・ねらい

 セミナーは、「より良いサービスを、信頼を得て持続的に提供するために」をテーマとして開催しました。 監督当局への報告が正式に義務付けられ、各保険会社の理解促進の必要性が指摘されているERM(統合型 リスク管理)、ORSA(ソルベンシーの自己評価)や、保険業務の適正化推進に必要な業界ベースの取組み、 情報交換、苦情への対応向上、自動車者保険の引受・支払適正化等、現地で解決すべき課題を取上げ、実態 を踏まえた解決案を提示することにより、業界関係者の認識・理解を深め、検討進捗の契機としました。

挨拶者

 開会式では、日本側からは損保協会の伊東 祐次 常務理事が、タイ側からはタイ損保協会(TGIA)のアノン 会長(Mr. Anon Vangvasu, President)、タイ保険委員会事務局(OIC)のスティポン 長官(Dr. Suthiphon Thaveechaiyagarn, Secretary-General)が挨拶を行いました。さらに在タイ日本国大使館特命全権大使・佐渡島 志郎 氏にも来賓としてご挨拶いただきました。

 OICのスティポン 長官からは参加者に対して、セミナーで取り上げられる課題の意義・重要性が説明された後、「タイ損保業界を持続的に発展させる上で有益な機会であり、多くの新たな洞察を得てほしい」との呼びかけが行われました。

 閉会式では、損保総研の佐野 清明 理事長、タイ損保協会のノパドン 事務局長(Mr. Nopadol Santipakorn, Secretary-General)が挨拶を行いました。

トピック・講師

1. 9月10日(火)

・「ORSA」
 -金融庁・監督局保険課保険業務専門官 富永 正氏
・「ERM」
 -東京海上ホールディングス社・執行役員リスク管理部長 滝澤 俊平氏
・「業界ベースの取組の必要性・有用性」 損保協会・常務理事 伊東 祐次
・「損害保険業界における情報交換システム-適正引受および保険詐欺対策の効果的な手段として-」
 -損保総研海外研修部次長・清水 哲氏
 -損保協会国際企画部担当課長・宮崎 裕安

2. 9月11日(水)

・「自動車保険の変遷と将来」
 -損保ジャパン日本興亜社・リテール商品業務部商品開発グループ 祝 悦氏
・「自動車保険の損害調査-適正支払取組強化のために-」
 -あいおいニッセイ同和損保社・損害サービス業務部次世代損害サービス開発G海外支援チーム
  担当次長 丸山 創氏

*日本側モデレーター:損保総研海外研修部長・内藤 正人氏
*タイ側モデレーター:タイのISJ一般・上級コース卒業生

セミナーを契機として支援を継続

 今回のセミナーでは、タイ損保市場の健全化に有用な制度・取組みの意義・重要性について、業界首脳を含むセミナー参加者の理解を深めただけでなく、具体的な解決案の提言が行われました。損保協会では、セミナーで高まった課題解決の機運を捉え、具体的な改善につながる取組みが実施されるよう、支援を継続してまいります。

開会式で挨拶を行なう伊東常務理事
セミナーに参加した日・タイ両業界首脳等

(ご参考)

・ISJは、国連貿易開発会議(UNCTAD)の勧告および東アジア保険会議(EAIC)の要請に基づき、当協会と損保総研の共催で、1972年から毎年、東アジア諸地域に対する技術援助プログラムとして開講している国際的保険研修プログラムです。
・現在、東アジア16カ国・地域が参加しており、東京で各2週間開講する一般コース・上級コースと、参加各地域に講師を派遣するISJ海外セミナーから構成されています。
・当協会では、ISJをはじめ、様々な場を通して、東アジア保険市場との相互理解・交流を深めており、ISJ一般コース・上級コース参加者の帰国後も、卒業生(OB)会報の送付や、保険実務に関する照会への回答などを通して、卒業生との関係維持に努めています。

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