「平成30年度税制改正要望」を決定
【No.17-003】
2017.07.20
一般社団法人 日本損害保険協会(会長:原 典之)では、7月20日(木)開催の理事会で、平成30年度の税制改正要望項目(全9項目)を取りまとめました。
損害保険業の健全な発展を通じて、我が国経済の発展と国民が安心して暮らせる社会の構築に寄与していく観点から、各種要望項目を掲げています。
重点要望項目は次のとおりです。
重点要望項目
1. 国際課税ルールの改定における対応
国際課税ルールの改定においては、損害保険ビジネスの実態を踏まえた手当てを行うこと
(1)外国子会社合算税制(注)において、平成29年度税制改正で新たに規定された「外国金融子会社等」の取扱いについて、損害保険ビジネスの実態を踏まえ、所要の手当てを行うこと
(2)その他の国際課税ルールの見直しが行われる場合には、損害保険ビジネスの特性を踏まえ、正当な経済活動を阻害することがないよう、十分に留意すること
○平成29年度税制改正では、外国子会社合算税制の見直しが行われ、保険業を営む実体のある子会社等を「外国金融子会社等」と定義し、外国子会社が「外国金融子会社等」に該当する場合は金融所得を合算課税の対象外とする新たな枠組みが定められました。
○一方、英国ロイズに進出する子会社や海外で保険事業グループを統括する保険持株会社においては、制度趣旨に合致しているにもかかわらず、「外国金融子会社等」の範囲に含まれることが明確にされていない等、金融所得が合算課税の対象となるおそれが生じています。
○正当な経済活動に対して、制度の趣旨・目的を超えた過度な課税や事務負担の増大が生じることのないよう、制度の詳細については損害保険ビジネスの実態を踏まえた十分な議論を行い、改正法の施行前に所要の手当てが行われることを要望します。
(注)外国子会社合算税制:経済実体のない外国子会社(ペーパーカンパニー)の所得、あるいは外国子会社の受動的所得を通じて租税回避を図る行為を規制するために、外国子会社の全部または一部の所得を我が国における親会社の所得に合算して課税する制度。
要望項目一覧
要望内容の詳細につきましてはPDFファイルをご覧ください。
1. 国際課税ルールの改定における対応【重点要望項目】
2. 火災保険等に係る異常危険準備金制度の充実
3. 損害保険に係る消費税制上の課題解決に向けて
4. 確定拠出年金に係る税制上の措置
5. 地震保険料控除制度の充実
6. 完全支配関係のある会社への配当金に対する源泉徴収の廃止
7. 受取配当等の二重課税の排除
8. 損害保険業に係る法人事業税の現行課税方式の継続
9. 消費税上の内外判定基準について