令和元年9月中間期 損保決算概況について
【No.19-021】
2019.12.17
一般社団法人 日本損害保険協会(会長:金杉 恭三)では、加盟28社(※)の令和元年9月中間期決算概況を次のとおり取りまとめました。
1.保険引受の概況
(1)正味収入保険料
正味収入保険料は、火災保険の増収などにより、前中間期(平成30年9月中間期)に比べ3.6%(1,520億円)増加して4兆4,209億円となりました。
(2)正味支払保険金、損害率
正味支払保険金は、台風15号など自然災害による火災保険の支払いが高水準でしたが、前中間期に比べ少額であったことや、地震保険の支払いが前中間期より少なかったことなどにより、前中間期に比べ△7.1%(△1,729億円)減少して2兆2,673億円となりました。このほか、9月末時点で未だ保険金支払いの完了していない支払見込額が支払備金として積み立てられています。
損害率は、正味収入保険料の増加と正味支払保険金の減少などにより、前中間期に比べ△6.0ポイント低下して56.6%となりました。
正味発生保険金 |
|||
---|---|---|---|
正味支払保険金 |
未払保険金 |
||
元年9月中間期 |
2,271億円 |
222億円 |
2,049億円 |
30年9月中間期 |
5,877億円 |
1,469億円 |
4,405億円 |
(注)各年度に発生した国内自然災害による全種目合計(家計地震保険を除く)の発生保険金額。
正味発生保険金=正味支払保険金+未払保険金
未払保険金とは、支払備金に繰り入れた金額。
(3)事業費率、コンバインド・レシオ
保険引受に係る営業費及び一般管理費は、前中間期に比べ△0.2%(△15億円)減少して6,276億円となりました。
諸手数料及び集金費は、前中間期に比べ3.9%(289億円)増加して7,661億円となりました。
これらを合計した事業費は前中間期に比べ2.0%(274億円)増加しましたが、正味収入保険料の増加により、事業費率は前中間期に比べ0.5ポイント低下して31.5%となりました。
損害率と事業費率を合計したコンバインド・レシオは、前中間期に比べ△6.5ポイント低下して88.1%となりました。
(4)保険引受利益
保険引受利益(△損失)は、支払備金繰入額の減少(△3,127億円)や正味支払保険金の減少(△1,729億円)などにより、前中間期に比べ赤字幅が1,850億円縮小して△558億円となりました。
2.資産運用の概況
資産運用収益は、有価証券売却益の減少(△382億円)などにより、前中間期に比べ△14.2%(△533億円)減益の3,217億円となりました。
資産運用費用は、有価証券評価損の増加(99億円)などにより、前中間期に比べ8.7%(43億円)増加して530億円となりました。
資産運用収益から資産運用費用を差し引いた資産運用粗利益は、前中間期に比べ△17.6%(△576億円)減益の2,686億円となりました。
3.経常利益・中間純利益
経常利益は、保険引受利益(△損失)の赤字幅減少により、前中間期に比べ286.7%(1,307億円)増益の1,763億円となりました。
経常利益に特別損益や法人税等合計を加減算した中間純利益は、前中間期に比べ328.0%(1,368億円)増益の1,785億円となりました。
4.総資産
総資産は、平成30年度末に比べ△0.2%(△692億円)減少して31兆4,416億円となりました。
5.ソルベンシー・マージン比率
ソルベンシー・マージン比率は、協会加盟会社全社とも法律で求める水準である200%を超え、経営の健全性について問題ない水準となっています。
(※)次の協会加盟会社(28社)の単体決算に基づき集計したものです。
あいおいニッセイ同和損保、アイペット損保、アクサ損保、アニコム損保、イーデザイン損保、AIG損保、エイチ・エス損保、SBI損保、au損保、共栄火災、さくら損保、ジェイアイ、セコム損保、セゾン自動車火災、ソニー損保、損保ジャパン日本興亜、大同火災、東京海上日動、トーア再保険、日新火災、日本地震、日立キャピタル損保、ペット&ファミリー損保、三井住友海上、三井ダイレクト損保、明治安田損保、楽天損保、レスキュー損保