「中小企業の経営者のサイバーリスク意識調査2019」を発表
~中小企業の経営者の約半数がサイバー攻撃をイメージできず~
~サイバー攻撃により数千万円の被害を受けることも~
【No.19-026】
2020.01.28
一般社団法人 日本損害保険協会(会長:金杉 恭三)は、2020年2月の「サイバーセキュリティ月間」に向けて、「中小企業の経営者のサイバーリスク意識調査2019」を発表します。
東京オリンピック・パラリンピックを控え、国内企業へのサイバー攻撃が急増しています。特に、サイバーセキュリティ対策が進んでいない中小企業がサプライチェーン攻撃により狙われる可能性があります。こうした状況を踏まえて、今般、中小企業の経営者を対象としたサイバーリスク意識調査を実施しました。
調査の結果、中小企業のサイバーセキュリティ対策が進まない大きな理由として、中小企業の経営者の多くが自社に対するサイバー攻撃による具体的な被害をイメージできていないこと等から、経営課題としての優先度が低くなっていることがわかりました。
当協会では、今後も中小企業のサイバーセキュリティ対策強化に向けて各種取組みを実施していきます。
1.調査概要
・実施期間:2019年11月12日(火)~11月15日(金)
・調査方法:インターネット調査
・回答数 :中小企業の経営者・役員825人
2.調査結果
(1)中小企業の4社に1社は、今もなおサイバー攻撃への対策をしていない
(2)サイバー攻撃への対策は、他の経営課題より優先度が低い
(3)サイバー保険に加入している中小企業は1割未満
(4)自社がサイバー攻撃の対象となることを認識している中小企業は1割未満
(5)中小企業の約半数がサイバー攻撃の被害を十分イメージできていない
(6)中小企業の約2割はサイバー攻撃の被害経験あり、数千万円の被害になることも
その他、調査結果の詳細は、当協会の「サイバー保険特設サイト」でご覧ください。(数字でみるサイバーリスクと保険ページ内)
ご参考
1.サイバー攻撃とみられる不審なアクセスは年々増加
2.「サイバー保険」
サイバー事故により企業に生じた第三者に対する損害賠償責任のほか、事故時に必要となる費用や自社の喪失利益を包括的に補償する保険です。
※上記の補償のほか、保険会社によっては、関連する付帯サービス(情報セキュリティ診断サービス等)を提供している場合があります。
※補償内容は、保険会社や保険会社が提供するサイバー保険のプランにより異なります。詳細は保険会社・代理店にご確認ください。
3.サイバーセキュリティ対策に関する損保協会の取組み
(1)「サイバー保険特設サイト」(2019年3月開設、7月・11月リニューアル)
サイバー攻撃の種類、サイバー攻撃が企業に与える影響(事故による企業の想定被害額等)、サイバー保険の概要、啓発チラシや動画、サイバー保険の取扱会社一覧、その他お役立ち情報等を掲載しています。
(2)チラシ「サイバー保険の話。」(2019年7月作成)
サイバー攻撃を受けた企業の業種別割合や売上高別割合、サイバー攻撃の具体的なリスク、サイバー保険の概要等をまとめたチラシを作成しました。関連団体主催のセミナー・イベントでの配布、マスコミへの情報提供等に活用しています。
(3)動画「サイバーリスクと保険による備え」(2019年11月公開)
サイバー攻撃が企業に与える影響や被害後に必要な対応、サイバー保険の補償内容等の情報をまとめた動画を公開しています(リスク編・保険編の分割バージョンもあり)。チラシと併せて、関連団体主催のセミナー・イベント等に活用しています。